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[MOM2312]大津MF水野雄太(2年)_“ゴールへの道が見える”必殺仕事人!2発以上の貢献度で決勝導く

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この日2点目となるゴールを決め、喜びを爆発させるMF水野雄太(2年)

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[11.12 選手権熊本県予選準決勝 ルーテル学院高 2-4 大津高 熊本県陸]

 やはり、この男が決めるのだ。1点差に追い上げた後半31分、大津高の10番を背負うMF水野雄太(2年)は、ファーサイドに飛んだ右CKの折り返しを頭で押し込むようにしてゴールへたたき込んだ。

「僕はニアにいたんですけど、後ろを振り返ったら(ファーにいた)福島隼斗(2年)と目が合って(ゴールへの)道が見えた。これは、来たなと思って。体で行ってやろうと思いました」とボールの起点からゴールまで、イメージしていた通りに得点を奪った。

 高円宮杯U-18プレミアリーグWESTで7得点を挙げている実力は、やはりダテではない。スピードに乗ったドリブルシュートが最大の武器。機敏に動く上に、状況把握が巧みで、仕掛けどころが良い。相手にとって厄介な選手だ。

 12日に行われた第96回全国高校サッカー選手権熊本県予選準決勝は、ルーテル学院高を相手に2点差から逆転して4-2で大津が勝利をものにした。水野は「去年の選手権が同じカードで、途中出場したけど負けた。今度は絶対に勝ってやると思って臨みました。前半は、もしかしたら負けるかもしれないと思ったけど、みんなが苦しい顔をしていなくて笑っていたので、これなら行けるかなと思いました」と最後まで勝利を信じて走った。

 同点弾を決めた後、左からの低いクロスを頭で合わせて4点目もマーク。「本当はニアに速いクロスを入れるつもりだったらしいです。でも、僕はマイナス方向に来るんじゃないかなと思っていて、良い感じに来ました(笑)」と、またもイメージ力を発揮してダメ押し点を挙げた。

 2つのゴールで勝利に貢献しただけではない。攻撃の組み立てが思うように機能していなかった前半にはスピードを生かした抜け出しで相手に脅威を与え、ときには中盤に近い位置でボールを呼び込むなど反撃のきっかけ作りに奔走していた。勝利への貢献度は大きい。何かやるとしたら10番ではないかと思わせるプレーと、期待に応える結果を示した。

「とりあえず、勝てて良かったです。1点目が入る前から、入りそうな気がしていたので、1点入ればコロッと(逆転まで)行くかなと思っていたんですけど、その後に何度かあったチャンスをなかなか決め切れなくて、ちょっと焦りましたけど」

 正直な感想だが、入りそうなイメージを常に持っていられるところが、水野の真骨頂かもしれない。地元の強豪クラブであるソレッソ熊本から大津高に進学したが、インターハイは2年連続で全国大会出場を逃し、選手権も昨年は準決勝で敗れた。あと1つ勝てば、ようやく全国大会にたどり着ける。

「入学してから(全国大会を)3つ逃しているので、今度こそ何が何でも行かなければいけない。どんなゴールでも良いから決めて、泥臭く守って勝つ」と決意を改めた水野は、決勝戦が行われる19日の2日後に17歳の誕生日を控えている。ゴールを決めて、勝って、誕生日を祝ってもらって喜ぶ。もちろん、すべてのイメージはできている。

(取材・文 平野貴也)
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