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[関東]2部得点王は早稲田大FW武颯、名古屋内定同期秋山陽介をライバル視「いつか追い抜かせるように」

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2部リーグの得点王を獲得した早稲田大のFW武颯(4年=横浜FMユース)

 関東大学サッカー2部リーグの得点王には、最終節で優勝と1部復帰を決めた早稲田大のFW武颯(4年=横浜FMユース)が輝いた。積み上げた得点数は15。「最終的にチームとしても最後に国士舘を上回っての優勝だったので、貢献できたかなと思います」と充実のシーズンを振り返った。

 怪我と戦った大学生活だった。「自分はこれまで怪我をしていて、4年目になってやっとコンディションが整ってきた」。1年生の時は左足内側靭帯を断裂。2年生と3年生の時には右足半月板を痛めるなどの重傷に悩まされ、復帰してもすぐに離脱という状況を繰り返した。

 しかし「初めて開幕戦からコンディションが整った」という4月16日の日本大戦で大学での公式戦初ゴールを記録すると、前期だけで12得点を決める圧倒的な決定力を見せつけた。後期は再び故障に悩まされ、勝負どころの終盤戦の欠場を余儀なくされたが、「自分の特長である得点力は発揮できたかなと思う」と手ごたえを感じることが出来た。

 身近な存在が意識を高める。早稲田大の同期のMF秋山陽介は卒業後に名古屋グランパスに入団する。すでに特別指定選手として参加しており、夏場にはレギュラーを獲得。9試合に出場し、J初ゴールも記録した。

 寮では隣の部屋同士で、「あいつは自分の部屋にいるより、僕の部屋にいる方が多い。あいつとは毎日一緒にいる感じ」という関係。それだけに意識することは多く、「今は抜かれた状態ですけど、自分も同じ舞台に立って、いつか追い抜かせるように、逆に颯の方がいいなと言ってもらえるように、頑張りたいなと思います」と強い決意を語る。

 同じ舞台に立つのはまだ夢のまま。卒業後の進路は決まっていない。「今できることを一生懸命やりたい」。1年間出続ければ、結果が残せるという自信を得たシーズン。2部リーグ得点王の肩書は、今後サッカーを続けるうえでも大きな支えになる。
(取材・文 児玉幸洋)
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