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北朝鮮戦はアピール失敗…倉田「自分が一番結果を残したい」

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ランニングで汗を流すFW倉田秋

 悔しさしか残らなかった。9日の北朝鮮戦(1-0)に4-2-3-1の左サイドハーフで先発したFW倉田秋(G大阪)は見せ場らしい見せ場をつくれないまま後半36分に交代。「アピールになったとはまったく思っていない。点も取ってないし、アシストもしてない。代表は目に見える結果を出さないとアピールにならないと思っている」と厳しい表情で言った。

 不慣れなポジションでもあった。これまでインサイドハーフやトップ下での起用が続いていたが、先発デビューとなった15年8月5日の東アジア杯・韓国戦以来となる左サイドでの先発。「いつもやっている真ん中ではなく、3トップの左だった。中に行っちゃうと、人が多くなるし、バランスを見ながらやった」が、なかなか自分の持ち味を出せなかった。

「あまりスペースがなかったし、一戦目ということもあってリスクを冒さず、安パイなパスが多かった。縦パスとかダイレクトプレーとか、もっと決定的なパスを狙う必要があった」。そう反省する倉田は「(W杯メンバーの)23人に入る中で、一つのポジションよりいろいろできるほうがいい。ガンバでもそうだし、いろんなポジションができるのが自分の持ち味。そこでも使えるかを試されたと思う」と、ハリルホジッチ監督の期待に応えられなかったことを悔しがった。

 10月6日のニュージーランド戦(2-1)で試合終了間際にA代表初ゴールとなる劇的な決勝点。続く同10日のハイチ戦(3-3)でも2試合連続ゴールを決めたが、11月の欧州遠征ではケガもあって出場機会がなかった。国内組にとって今大会はW杯メンバー入りを懸けた“ラストアピール”の舞台とも位置付けられているが、海外組を含めたフルメンバーの代表でも招集されてきた倉田は国内組の中で一歩リードしている立場ではある。

 それでも本人は「まったく安泰だとは思っていない」とキッパリ。11月の欧州遠征では、長年、代表を引っ張ってきたMF香川真司、FW本田圭佑、FW岡崎慎司がそろって落選するなど、チーム内の競争は激化している。「これまで呼ばれていた選手が次の合宿では代わるチーム。呼ばれたときに結果を出した選手が生き残っていくと思う」。ボーダーライン上にいる倉田にとって、今大会は新戦力以上に結果が求められているのは確か。「この大会で自分が一番結果を残したい」と力を込めた。

(取材・文 西山紘平)

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