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V逸の清水ユースGK天野「もうこんな思いはしたくない」、来季はU-17代表との先発争いへ

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来季の優勝に向けて意気込んだ清水ユースGK天野友心(2年)

[12.10 高円宮杯プレミアリーグEAST第18節 清水ユース1-2柏U-18 J-STEP]

 最終盤になって任されたゴールマウス、清水エスパルスユースの2年生GKにとっては悔いの残る結末となった。GK天野友心(2年)は自身が先発した高円宮杯プレミアリーグEASTのラスト2試合を1分1敗で終え、悲願の初優勝を逃した柏U-18戦の試合後、「もっとチームから信頼されるGKになりたい」と挽回を誓った。

 清水ユースは今季、U-17日本代表としてU-17W杯に出場したGK梅田透吾(2年)が正GKに君臨。ところが、終盤に肩を負傷してしまい、離脱を余儀なくされた。そこで10月から行われたJユースカップ3回戦とプレミアリーグEASTの4試合は天野が先発。タイトル争いの最中で、大事なゴールマウスを守ることとなった。

 そんな背番号21はJユースカップで京都U-18に敗れたものの、プレミアEASTでは鹿島ユース、大宮ユースを相手にいずれも1-0の完封勝ち。良い流れで首位をキープしたまま、優勝を懸けて残り2節に臨んだ。しかし、第17節の青森山田戦は終盤に4失点目を喫してドロー決着。柏U-18戦は自身のビルドアップからボールを奪われ、決勝点を献上してしまうという幕切れとなった。

「本当に悔しい思いばかりだった」。自身が出場した公式戦5試合を振り返り、天野は反省の言葉を口にした。とりわけ悔いが残ったのは柏U-18戦で喫した2失点目。ショートパスの選択が失点につながったことについて、「試合の流れを考えて、クリアで危険を回避すれば良かった。自分の判断の未熟さを感じました」と肩を落とした。

 とはいえ、まだ2年生。悔しさを晴らすチャンスはもう1年残されている。来季はトップチームに昇格するFW平墳迅(3年)は「良い選手ばかりなので、来年は必ず優勝してくれるはず」と後輩に夢を託した。それを聞いた天野は「この悔しい思いを忘れたくないし、二度とこんな思いはしたくない。迅くんがそういうふうに言ってくれているので、優勝できるようにまたやっていきたい」と強く前を向いた。

 想いの強さは、柏U-18戦でも垣間見えていた。2失点後にはキックが乱れるなど、動揺した姿も見せたが、終盤に訪れたピンチでは立て続けにビッグセーブ。「最後のほうは『もうやらせない』という気持ちがプレーに出た」という自己評価には、「足りなかったというのが結果に表れている」という補足が付いたが、失敗を立て直せるメンタリティーはGKにとって重要な資質だ。

 もっとも来季、プレミアの舞台でそんな能力を証明するためには、復帰してくるであろう同期とのレギュラー争いを制する必要がある。「透吾というチームメイト兼ライバルが日本代表に選ばれ、良い刺激にはなっているけど、絶対に負けたくはない。ここからプレミア開幕に向けて、守備範囲を広げて、もっとチームから信頼されるGKになりたい」。来季に向けた戦いは、すでにひっそりと始まっているようだ。

(取材・文 竹内達也)
●2017プレミアリーグEAST

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