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驚愕のブレ球ミドル弾!! 2得点のマウリシオ「自分の価値を示したかった」

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2得点を記録した浦和レッズDFマウリシオ

[12.12 クラブW杯5位決定戦 浦和3-2W・カサブランカ アルアイン]

 迷いはなかった。ボールを受けた位置は、ゴールまで約30メートル。しかし、浦和レッズDFマウリシオは「打とうという感覚があった」と右足を振り抜いた。

 3日前に行われた準々決勝アルジャジーラ戦では出場機会が訪れず、チームは0-1の完封負けを喫した。「自分が出られない悔しさと、チームが負けてしまった悲しさがあった」。だからこそ、5位決定戦で先発を託され、「自分の価値、ポテンシャルを示したかった」と闘志を燃やしていた。

 見せ場は前半18分にやってくる。右サイドのスローインからつながれたボールを受けると、「トラップした瞬間にシュートしかないと思い、その可能性を信じて打った」と右足を一閃。凄まじい勢いで飛び出した無回転のボールは、ブレながら豪快にゴールネットを揺らして値千金の先制点が生まれた。

「しっかりと自分が狙ったところに行ってくれた。しっかりとミートすれば、自分が望んでいる場所に行ってくれるはずなので、そのミートを意識できたと思う」

 さらに、両チームともに1点ずつを奪い合い、2-1とリードして迎えた後半15分にはFW興梠慎三のクロスのこぼれ球を、「しっかりと強いシュートでコースを狙った」ときっちり蹴り込んで自身2点目を記録。その後、PKで1点を返されたものの3-2の勝利を収めたチームは、クラブW杯5位になった。自身の存在価値を改めて証明した男は、「最後の試合をチームとして乗り越え、ポジティブな結果を得られて良かったよ」と白い歯を見せた。

(取材・文 折戸岳彦)
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