[12.28 高円宮杯全日本ユース(U-15)決勝 鳥栖2-2(PK6-5)FC東京深川 味フィ西]

　優勝を置き土産に高校サッカーの舞台へと旅立つという夢には、あと一歩届かなかった。ただ延長後半アディショナルタイムの同点被弾、7人目まで突入したPK戦を落としての惜敗だったが、FC東京U-15深川の10番MF安斎颯馬は、「自分たちより相手が1個上だった」と素直に敗戦を受け入れた。

　今日までの仲間とは、卒業後は敵として対峙することになる。ユースへの昇格が叶わなかった安斎は、高校サッカーの名門である青森山田高に進学する。今季のFC東京深川から青森山田に進むのは1人だけ。「厳しい環境。自分を強くしたいという思いで受験しました」。

　青森山田は今季はプレミアリーグEASTで最終節までFC東京U-18と優勝を争い、最終節で直接対決をした。結果、勝利したFC東京U-18が逆転で優勝を勝ち取り、続くチャンピオンシップでも制して日本一になった。「いろんな思いはあるけど、自分的には倒すつもりでやります」と安斎の気持ちはすでに“打倒FC東京”に向いている。

　この日も右MFでプレーするなど、高校進学後も「前目でのプレー」を希望しているが、昨年はSBでプレーした経験があることから、「与えられたポジションで頑張りたい」とユーティリティさもアピールするつもりでいる。「自分が上手く、強くなって、目標とされる選手になっていきたい。岡崎慎司選手みたいになりたい」と目を輝かせると、「この悔しさは高校サッカーで全国を獲って、取り返します」と力強く話した。

(取材・文　児玉幸洋)

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