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「マンツーマン?」「わかる?」…神戸内定MF郷家が沈黙した長崎総附の守備

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郷家友太のロングスローも得点に結び付けられず

[1.3 全国高校選手権3回戦 青森山田高0-1長崎総合科学大附高 フクアリ]

「去年の先輩と比べると、すべてが劣っていたと思います」。連覇のかかった青森山田高(青森)は、3回戦で姿を消した。「選手権独特の雰囲気にのまれてしまって、いままでと違うプレッシャーがあった」とMF郷家友太(3年、神戸内定)は普段どおりのプレーができなかったことを明かした。

 10番を背負う郷家は自由を奪われ、プレミアリーグEASTで得点王(9点)に輝いた決定力をこの試合では出せないまま80分を終えた。「相手の5番(DF嶋中春児)がピッタリついてきて、試合中自分が『マンツーマン?』って確認したら、『やっぱりわかる?』って言われて。その中で点を取らないといけないと勝手にプレッシャーを感じてしまって、ゴール前で慌ててしまった」。ミーティングで長崎総合科学大附高(長崎)がマンツーマンをつけてくることは“予告”されていたというが、「わかっていてもマンツーマンってやりにくい」と郷家は言う。「自分が下がっても相手をつれてきてしまって、逆に裏に抜けてしまうととついてきて前のスペースが消えてしまう。真ん中で孤立してただ止まっている時間が多かったです」と悔しさを募らせた。

 U-18日本代表として11月のAFC U-19選手権2018予選もともに戦い、ピッチ外でも友人であるFW安藤瑞季(3年、C大阪内定)に決勝点を挙げられたことについては「直接対決で彼に仕事をされてしまって1-0で負けるのはすごい悔しい」と吐露。

 対する安藤は「(郷家を)意識しまくりで、仲が良いからこそ負けたくないというか、友太が言っていたように、どっちかが決めて試合に勝ちたいという気持ちが自分にもあって。いままで一緒に勝ってきて笑っている姿しか見たことがなかったので、泣いている姿を見て絶対に負けちゃダメだなという気持ちになった」と無念を晴らすつもりだ。

「中学校途中から山田にきて、何もできなかった自分をこのように強くしてくれた山田に感謝しているのと、まだ足りないところがたくさんあるのでもうちょっとやっておけばよかったかなという後悔」を胸に終えた高校サッカー。卒業後はヴィッセル神戸に活躍の場を移す郷家は、「試合に出られるように」と決意していた。

(写真協力『高校サッカー年鑑』)

(取材・文 奥山典幸)
●【特設】高校選手権2017

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