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注目ドリブラー久住が日本文理で実現してきた目標。次は得点王、旧友との決勝対決、そして日本一へ

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日本文理高の10番、MF久住玲以

[1.3 全国高校選手権3回戦 作陽高1-1(PK6-7)日本文理高 浦和駒場]

「狙っていますね」。日本文理高(新潟)の10番、MF久住玲以(3年)は大会得点王に狙いを定めている。今大会は1、2回戦で計3発。作陽高(岡山)との3回戦では相手の厳しいマークの中、得意のドリブルで強引に前進するシーンがあったほか、左足シュートがFW亀山来駆(3年)の先制点に繋がったが、自身は得点を奪うことができなかった。

 本人は「今日もゴールが欲しかったんですけれども」と首を振る。それでも、得点ランキング首位の前橋育英高FW飯島陸(3年)と2点差。十分射程圏内に捉えたまま、5日の準々決勝(対矢板中央高)を迎える。矢板中央は堅守が特長だが、それを打ち破って得点数を伸ばし、チームを勝利へと導くだけだ。

 今大会、その推進力あるドリブルと得点力が対戦相手の脅威になっている。その久住は小学生時代、アルビレックス新潟の育成組織で10番をつけて主力としてプレーしているものの、新潟U-15では出場時間を十分に掴むことができず、U-18チーム昇格も見送りに。だが、「プリンスに行くという目標と、全国で活躍するという目標」を持って進学した日本文理を新潟県2部リーグから2カテゴリー上のプリンスリーグ北信越で戦うチームに引き上げ、初出場した選手権の全国舞台でも存在感あるプレーを続けている。

 本人はその活躍にも「まだまだ全然できていない。(自分を止めるためにDF)3人来られたりしているけれど、それでもやらないといけない」と満足感はない。それでも、日本文理の走り込みによって馬力が増し、課題の運動量を意識的に向上させたMFは、プリンスリーグ北信越昇格と選手権での活躍という目標をクリア。全国得点王という目標も達成する意気込みだ。

 勝ち上がる中で可能性が増して来ているのが、旧友との決勝対決だ。「前橋育英の渡邊泰基は小学校の時からずっと仲がいい。負けたくないですね。決勝で当たりたいですね」という。逆ブロックのため、対戦できるのは決勝のみ。ともに新潟U-15から高体連へ進み、自身は拓殖大へ進学、一方の渡邊はプロの選手として新潟へ戻ることになっている。先にプロ入りの夢を叶えた渡邊と決勝で戦い、久住は勝って、「優勝を狙っている」という目標、「高校選抜は本当に目標にしていますね」という目標も達成するつもりだ。

 初出場ながら新潟県勢最高タイとなるベスト8進出を決めたものの、まだまだこれから。将来のプロ入りを目指す日本文理のエースはその大目標達成へ向けて、目の前にある目標をできるだけ多くクリアして選手権を終える。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校選手権2017

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