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代表、高校選抜並ぶ前橋育英4バック“もう1人”の実力者。右SB後藤田が決勝での無失点勝利誓う

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前橋育英高の右SB後藤田亘輝は決勝戦で完封勝利することを誓う

[1.6 全国高校選手権準決勝 上田西高 1-6 前橋育英高 埼玉]

 目の前を通り過ぎていったシュートが1失点に。前橋育英高の右SB後藤田亘輝(3年)は、前半29分に奪われた1点について「もったいない失点だった。自分的にも最後足出して触れなかったので悔しいです。しっかりと切り替えて次、無失点で終われられればいいと思います」と悔しさを滲ませながら、決勝戦での無失点勝利を誓っていた。

 隙を作らないこと、ゼロで終えることを徹底していた。U-18日本代表CB角田涼太朗(3年)も「きょうの試合はあまり嬉しい感じがしない。そんなにチャンスを作られた訳でもないし、連戦という中で無かったつもりだったけれど、少しでも気の緩みがあったと思う」とまるで敗者のような表情。後藤田も「現実を受け止めてやらないといけない」と1失点したことを重く受け止めていた。

 前橋育英は後藤田、CB松田陸(3年、G大阪内定)、角田、左SB渡邊泰基(3年、新潟内定)の4人が準優勝した1年前から変わらず4バックを構成している。その4人は1年前、準決勝までを無失点で終えたが、青森山田高との決勝戦で大量5失点。そこから「誰か一人がチャレンジした時に3人がカバーするのはこの1年間徹底してきた」(後藤田)と4人が繋がりを密にし、より隙の無いバックラインを目指してきた。

 今年はプリンスリーグ関東をリーグ最少失点で制し、今回の選手権も群馬県予選から全国大会準々決勝まで7試合連続無失点。しっかりと結果に結びつけてきた。もちろん失点は悔しいが、この失点を良い意味でプラスに捉えて決勝戦は無失点で勝つ。

 1年前の選手権での活躍がきっかけとなって渡邊は日本高校選抜入りし、角田と松田はU-18日本代表に選出された。“最強4バック”のもう一人の実力者、後藤田も彼らに負けじと、過ごしてきた1年間。「自分もそういうところ(代表など)でプレーしたいという気持ちがあったんですけれども、なかなか上手く行かなかった。自分ももっと成長して、どのタイミングでも良いと思うので一緒にピッチに立ちたいと思います」と彼らと同じステージで戦える選手になることを誓う。

 タイミングの良いインターセプトと、的確なカバーリング、そして攻撃参加から決定的なクロスを配球するなど、前橋育英の背番号2は今大会最高クラスの右SBだ。それでも「得点に絡めなかったり、きょうも最後体張れていないのがあるので、まだ3人に比べて劣っているところがあると思います」と自己分析。慢心することなく、青山学院大に進学した後も努力を重ねる構えだ。

 今は決勝戦をゼロで終えることに集中。「夏、インターハイで負けて悔しい思いしているので、負けたくないです」という流通経済大柏高との決勝戦を無失点勝利で終えて優勝するだけだ。“最強4バック”の一角は、役割をしっかりと果たして、自分自身に対する自信と周囲からの評価も積み重ねる。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校選手権2017

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