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[新人戦]今年は関東大会、インハイへ。進学校・高崎は自分たちの武器で群馬制覇にチャレンジ

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高崎高は3-0で快勝。1年生FW内田圭一郎は先制点を叩き出した

[1.14 群馬県高校新人大会2回戦 高崎高 3-0 市立太田高 前橋育英高高崎G]

 平成29年度群馬県高校サッカー新人大会2回戦が14日に行われ、高崎高が市立太田高に3-0で勝った。高崎は14日の3回戦で高崎商高と戦う。

 インターハイ全国ベスト8の歴史を持つ高崎は、今冬の選手権で日本一に輝いた前橋育英高や桐生一高といった私学強豪に対抗する“公立の雄”の一つであり、群馬県屈指の進学校でもある。限られた練習時間の中で、練習量や技術面で私学勢と上回ることは難しい。それでも、吉田卓弥監督が「今年は関東行くぞ」と選手たちに声をかけ、選手たちも関東大会、インターハイ出場へ本気。指揮官が「打倒育英、桐一…、(私学勢などの強豪と)やり合えるチームにならないといけない」と語るように、自分たちの武器で勝負できるチームを目指している。

 今年は群馬県選抜の一員として17年国体8強を経験しているMF紋谷真輝(2年)や、渋川市立子持中時代に10番を背負って全国中学校大会に出場しているFW小菅竣也(2年)、長身CB瀬宮基主将(2年)ら、昨年の選手権予選から先発7人を残すなど経験値の高い世代。昼休みに選手ミーティングを行うなど戦い方の共通理解を深め、判断の速さ、精度、運動量などの部分で強敵を上回る目標をチームは共有している。

 その高崎は試合開始直後、左サイドでの崩しから、FW内田圭一郎(1年)が先制ヘッド。あっという間の先制点で優位に立ったが、吉田監督が「あのゴールが(この試合で)一番いいプレーでした」と苦笑いしたように、その後は攻め急ぐシーンが増えてしまい、状況判断しながら攻めることができなくなってしまう。

 紋谷は「落ち着いて相手と駆け引きしながら、ここだというところでスイッチ入れてシュートまで持っていくことが理想なんですけれども、まだまだです」。それでも、各選手が流動的にポジション変更を繰り返しながら攻める高崎は26分、紋谷がPAでのキープでDFを引きつけてヒールパス。これをMF柿沼尚暁(2年)がゴールへ叩き込んで2-0と突き放した。

 市立太田もカバーリング優れるCB堀良徳(2年)や潰しの利いていたCB田部井拓巳(2年)、GK境野永豊(2年)を中心とした守りで食い下がり、FW安藤優佑(2年)やMF古山颯(1年)のキープやGK登録のFW石井和(2年)の高さを活かした攻撃で反撃する。
 
 だが、高崎は紋谷やMF高橋裕太(2年)のゲームメークから、小菅の鋭いドリブル、左SB白石悠汰(2年)、右SB高橋良輔(2年)の攻撃参加など多彩な仕掛けで3点目を目指し続ける。そして、後半22分に紋谷が豪快な右足ミドルをゴールへ突き刺して3-0。その後、決定機を活かせないシーンが続いたものの、快勝で3回戦へ駒を進めた。

 ただし、試合後の高崎イレブンの表情は不満げ。判断の悪いプレーが増え、連係面を欠いたほか、個々のストロングポイントを引き出せなかったことを反省していた。瀬宮は課題を改善するために、日常から変化することをチームに求める。

「自分たちは少ない練習量で勝っていかないといけない。もっと練習メニューとか一人ひとりが考えて、自分たちが主体性を持ってやっていくこと。頭のスピードで勝たないと勝つところがないと思うので、そこをしっかりしていきたい」。まだ一部の選手中心となっているミーティングから全員で変え、目標達成のためにより意識高く取り組んでいく。

 日本一軍団の前橋育英や今年プリンスリーグ関東に昇格する桐生一、伝統校の前橋商高など群馬制覇への壁は厚い。昨年はインターハイ予選と選手権予選でいずれも前橋育英に敗れるなど4つのトーナメント戦全てで準々決勝敗退。それでも、「今年は関東大会が群馬開催なので、関東出て、インハイで全国を目指さないといけない」(瀬宮)、「狙えなくはないと思う。(前橋育英なども)レベルアップはすると思うんですけれども特長消して、自分たちのゲームにしていきたい」(紋谷)というように、選手たちは実現することを信じて日々を過ごす。

(取材・文 吉田太郎)

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