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選手権得点王FW飯島と北九州加入のFW佐藤颯がゴール。日本高校選抜候補は阪南大とドロー

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1本目5分、日本高校選抜候補はFW飯島陸(前橋育英高)が左足で先制ゴール

[1.20 練習試合 日本高校選抜候補 2-2 阪南大]

 第96回全国高校サッカー選手権の優秀選手を中心に構成されている日本高校サッカー選抜は欧州遠征メンバー選考合宿(大阪)2日目の20日午前、強豪・阪南大と25分×4本の練習試合を行い、2-2で引き分けた。

 日本高校選抜候補は4本全てメンバーを入れ替えながらの選考ゲーム。平野直樹監督(履正社高)は「(細かい指示をするのではなく、)言葉を少なめにして、彼らの良さを出させるように」選手たちを送り出したという。前日に選手と面談も実施し、選手たちの希望ポジションを考慮。故障を抱えている選手の状況なども見ながら、20日午後に大阪体育大と行う練習試合を含めてほぼ均等に出場時間は割り振られた。

 選手たちはその中で欧州メンバー入りへのアピールをした。阪南大戦の1本目5分、日本高校選抜候補は早くも先制点を奪う。DF裏のスペースへのボールを一度失ったものの、相手DFのバックパスをFW飯島陸(前橋育英高、3年)がインターセプトし、GKとの1対1から左足で先制点。選手権得点王が「(高校選抜でも) 一番点を取るつもりでいます」の宣言通りの一撃を決めた。
 
 後方から繋ぐ阪南大に対し、MF田部井涼(前橋育英高、3年)とMF宮本優太(流通経済大柏高、3年)をダブルボランチに配置した高校選抜候補は前線からの守備でボールを奪い取って見せる。飯島やFW荒木駿太(長崎総合科学大附高、3年)、田部井が高い位置でインターセプト。そして速攻に移ると、荒木の切り返しからのシュートや飯島のドリブルシュートなど全日本大学選抜メンバーもいた阪南大から決定機を作り出した。

 阪南大はボールに食いついてくる相手に対し、シンプルに背後のスペースを突く攻撃。DFラインの背後を取るシーンもあったが、高校選抜候補はCB蓑田広大(青森山田高、3年)が広範囲のカバーリングを見せるなど得点を許さない。本来のCBではなく、左SBとしてプレーした角田涼太朗(前橋育英高、3年)も存在感を見せるなど1本目を1-0で終えた。

 2本目は田部井やMF青木真生都(東福岡高、3年)、MF菊地泰智(流通経済大柏高、3年)らによる細かいパスワークで相手のプレッシャーを剥がして前進。スルーパスから飯島がチャンスを迎えるなど、好守から個々の技術力を活かした攻撃を展開した。内容の良い試合を見せた高校選抜候補だったが、それでもセカンドボールを拾われるなど徐々に押し込まれる時間の増えた終盤にサイドから崩されて失点。1-1で2本目を終えた。

 3本目は「(1、2本目に比べて)一人ひとりの守備範囲が狭くなった」(平野監督)こと、またSHがサイドに張りすぎていた面もあって、中盤を活用されて防戦一方に。ほとんど攻撃機会のない25分間となったが、CB 嶋中春児(長崎総合科学大附高、3年)の身体を張った守りなどもあってスコアは動かなかった。

 3本目は所属チームの戦い方がそれぞれ違うため、横に間延びしてしまった部分があったが「みんなで関わり合うこと」(平野監督)を意識して修正。4本目は5分にDFの寄せが甘くなったところを突かれて失点してしまったものの、攻撃面ではMF梅津凌岳(京都橘高、3年)らが細かなパスを繋ぐ。そして10分には相手の高いDFラインの裏へ抜け出したFW佐藤颯汰(日章学園高、3年)がGKとの1対1から同点ゴール。北九州へ加入した俊足FWのゴールで追いついた高校選抜候補はFW圓道将良(旭川実高、3年)のスピードも活かして勝ち越しゴールを目指す。最後は押し込まれる時間帯もあったが、それを凌いで2-2で試合を終えた。

 欧州遠征メンバーを選考する平野監督は「外国人相手でも物怖じせずに戦える選手」を求めている。加えて、コミュニケーション能力、チャレンジ精神の持ち主、タフガイであるかもチェックしながら選考中。合宿は21日まででアピールの時間は少ないが、欧州遠征メンバー入りを目指す選手たちは個々の特長、求められるいるものを表現して、選考突破を目指す。

(取材・文 吉田太郎)
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