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インテル練習見学し、長友の凄さに刺激。MF中村駿太は自分だけのスタイル身につけ、道を切り開く

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MF中村駿太は長友の姿、言葉から刺激を受けて飛躍を誓った

 高校年代最高峰のリーグ戦、高円宮杯U-18サッカーリーグ2017プレミアリーグにおける「NIKE NEXT HEROプロジェクト」ポイントランキング上位選手中心に構成されたイタリア遠征メンバーは現地時間25日午前、名門・インテルのトレーニング施設“アンジェロ・モラッティ”センターでインテルトップチームのトレーニングを見学した。

 インテルのレジェンドで現在副会長を務めるハビエル・サネッティ氏から歓迎を受けた選抜メンバーはその後、グラウンドに移動してトレーニングを見学。長友がアルゼンチン代表FWマウロ・イカルディ、ブラジル代表DFミランダらとともに、ハーフコートの1タッチ限定での11対11や戦術練習する姿に熱い視線を送っていた。

 練習後には短時間ながらも長友との対面が実現。長友は将来の日本代表の後輩候補たちへ向けて「努力次第で夢は広がる。僕は何の夢も掴んでいないし、みんなと一緒で夢を叶えるために努力している。(みんなも)世界で戦うくらいの選手になってほしい」とエール。これに対し、U-18日本代表で今季モンテディオ山形入りしたMF中村駿太(青森山田高3年)は自身と変わらない身長の長友がインテルで堂々とプレーしている姿、そしてその言葉から刺激を受けていた。

「一番ちっちゃいし、見た目だけで言ったら凄そうじゃないというか、普通の日本人なのに、何年もインテルにいて自分の地位を確立しているのは何か凄いものがあるはず。ナマで初めて練習しているところを見て、改めて凄いなと思いました」。そして長友からのエールを受けて「全然僕らが思っている以上に努力してきたと思うし、自分はまだまだ足りないのかなと思いますね」と気を引き締めていた。

 青森山田のストライカーとして同校のプレミアリーグEAST3位などに貢献した中村は、今回の「NIKE NEXT HEROプロジェクト」イタリア遠征メンバーの中でトップ下のポジションを務めている。身長172cmの中村が高校同様に、プロの世界で180cmクラスの大型選手や外国人選手とFWのポジションを争うのは簡単なことではない。

 だが、本人は「ずっと今はFWでやってきて、得点取る形とかを身に着けさせてもらった。(1.5列目でも)ゴール前ではストライカーのようなプレーができれば誰でもない、自分だけのスタイルが身に付いていくかなと自分自身に期待しています。(山形でのトレーニングや今回のイタリア遠征を通して)理想には程遠いですけれども一歩一歩近づいていけるんじゃないかなと思います」とストライカーの力を持つ中盤のプレーヤーへの変化に期待している。

 24日のASヴィズノーヴァ戦ではトップ下の位置からワンツーでPAへ潜り込んでゴール。さらにゴールエリアへのクロスに飛び込み、最後はバイシクルショットで2点目を決めた。その他、果敢な仕掛けで2つのアシストを記録するなど、新境地を確立してきている。イタリアでさらに手応えを掴んで山形へ。25日のヴァレジーナ・カルチョ戦でもゴールを決めるだけだ。

 年代別日本代表やプロで厳しさを学んできた中村はまだ、長友のような姿になることは想像できないという。それでも、「チームでしっかりと試合に出て活躍することで少しずつ道は開けていくのかなと今はそう考えています」と語った中村が、プロの世界で目の前の課題を一つ一つクリアし、結果を残し続けて道を切り開く。

(取材・文 吉田太郎)

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