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中国でプレーする“ブラジルの神童”パト、チャンスを決め切り柏から勝ち点1持ち帰る

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ミラン、チェルシーに所属し現在は中国でプレーするアレシャンドレ・パト

[2.20 ACLグループリーグ第2節 柏1-1天津権健 柏]

 警戒すべきストライカーにひと仕事をされてしまった。ホームに天津権健(中国)を迎えた柏レイソルは、終始ボールを支配してゲームを進め、クリスティアーノのゴールで先制したが、追加点を奪いきれないまま試合は終盤へ。そして後半43分、 DFと入れ替わって縦パスに抜け出たFWアンソニー・モデストが決定機を迎えるも、シュートはGK中村航輔がビッグセーブ。しかし、こぼれ球につめていたFWアレシャンドレ・パトに右足で押し込まれてしまい、引き分けに持ち込まれた。

「ゲームとしてはいい内容からいい得点を奪えて、このままゲームを終わらせればよかったんですけど、なかなか追加点を奪えず、こういう状況で追加点を奪えないと最後は事故が起こりえるのがサッカーだと思うですけど、その事故が起きてしまって、本当に悔しい一戦だったと思います」と下平隆宏監督はこの一戦を評した。

 インテルナシオナル(ブラジル)時代、弱冠17歳で出場したクラブW杯で得点を挙げて“ブラジルの神童”として脚光を浴びたパトは、その後ヨーロッパに渡り、ミランでは6シーズンプレーした世界的ストライカーだ。その後、ブラジルのチームなどを経て昨年1月に天津権健へと加入し、昨季は24試合15得点の好成績を残した。柏戦はベンチからのスタートとなったが、チームが劣勢の前半36分に早速ピッチへ送り込まれた。前半終了間際のビッグチャンスを決めきれず、シュート数で5対15と押し込まれた後半もチャンスからはほど遠かった。ボールを呼び込むも配給されず、フラストレーションを溜める様子が見て取れたが、昨季までケルンで大迫勇也と2トップを組んでいたモデストと2人だけでゴールをこじ開けた。

 現役時代はドルトムントやユベントスでプレーしたポルトガル人指揮官、パウロ・ソウザ監督は「今日のパト選手の活躍に満足しています。自分のポジションでやるべきことをやったと思います。彼は自分に何ができるかを自分自身が理解していて、チームのためにやった。彼のようなプレイヤーは貴重です」とブラジル人ストライカーを称えた。

「(柏は)技術的にも、戦術的にも我々より上手で、よりよいチームだと思いました。しかし、我々のチームもよくやったと思います。彼らは戦いましたし、自分たちを信じて最後までやり抜きました。今回の試合の結果に非常に満足しています」。クラブ初のACLで、2試合を終えて勝ち点4と結果を残している就任1年目のソウザ監督は「この調子で進んでいきたいと思います」と手応えを口にした。

(取材・文 奥山典幸)

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