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[新人戦]「コイツ止めれねぇな、というくらいに」。大津10番FW水野は28分間のみの出場も、インパクト残して1アシスト

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後半24分、大津高の10番FW水野雄太はFW奥原零偉(左端)へラストパスを通してゴールをアシスト

[2.20 九州高校新人大会決勝 東福岡高 1-3 大津高 宮崎県総合運動公園ラグビー場]

 出場時間は後半開始からの28分間のみ。それでも大津高(熊本)の10番FW水野雄太(2年)は九州高校新人大会決勝でインパクトを残し、勝利にも貢献した。

 予選リーグ最終節の神村学園高戦で左足首を負傷。準々決勝、準決勝は欠場し、決勝戦も欠場が有力視されていた。だが、ライバル・東福岡高撃破のために出場を志願。1-0の後半開始からピッチに立つと、チームに推進力をもたらした。

 7分には相手CBとの真っ向勝負から強引に身体ひとつ前に出て、ファーサイドのポストわずか外側へ決定的な右足シュート。その後も一瞬の加速力で相手DFを脅かし続けると、2-0で迎えた24分には左サイドで相手DFラインの背後へ抜けたボールに鋭く反応する。そして、斜めに切れ込んでからのラストパスをFW奥原零偉(2年)に合わせて、3点目のゴールをアシストした。

 本人は得点するまでピッチに立ち続けたかったようだが、コーチ陣の判断で28分に交代。無得点に終わったことを悔しがっていたものの、攻撃の柱としての役割を果たし、Jクラブのスカウトたちに自身を印象づけた試合でもあった。

 昨年の高円宮杯プレミアリーグの活躍が認められ、「NIKE NEXT HEROプロジェクト」イタリア遠征に参加。初となる海外での試合だったが、臆すること無く自分の武器でチャレンジしていた。サイドからの鋭い縦突破に加え、連動した崩しでも力を発揮して2試合連続で1ゴール2アシストの活躍。U-19日本代表コーチを務める秋葉忠宏団長(JFAナショナルトレセンコーチ)からも高く評価されていた。

「(イタリアでプレーし)思い切りやることが大事だなと。チームに帰ってきてから(ともに遠征したDF吉村仁志とともに)いい刺激を与えられていると思う」。高校年代最高峰のリーグ戦を戦ったチームの選手たちのプレーや意識の高さを学び、大津の日常に活かしている。個人的にはイタリアから帰国後の練習でなかなか得点できなかったというが、熊本県新人戦決勝でハットトリックを達成。今回の九州大会は怪我の影響で出場時間が限られてしまったが、それでも大会を通じて1ゴール3アシストを記録した。

 今年の目標は大津にとって初となる全国制覇を達成すること。そして、高校から直接プロ入りすることだ。「コイツ止めれねぇな、というくらいに。スピードとかシュート精度とかで相手に印象を与えられるようなプレーヤーになりたい」。日常から努力を続け、目標とする姿になって、今年は全国でインパクトを残す。

(取材・文 吉田太郎)

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