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どこへ行っても愛される男…湘南FW梅崎司にチャント大合唱「アップの時から歌ってくれて…」

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湘南での初戦を迎えたFW梅崎司

[3.7 ルヴァン杯GL第1節 湘南1-0鳥栖 BMWス]

 試合前からサポーターの期待を一身に集めていた。10年間所属した浦和レッズから湘南ベルマーレに完全移籍してきたFW梅崎司は、この日が新天地でのデビュー戦。試合前のウォーミングアップ、そして後半22分の登場シーンでは、新たなチャントが大音量で鳴り響いていた。

 ともに進もう、ともに叫ぼう、オオオー、梅崎司――。オフシーズンに負っていた怪我の影響で、プレシーズンを含めた出場時間はゼロ。しかし、願いを込めて歌い上げたサポーターの注目は明らかだった。「アップの時から歌ってくれていた。プレーを見せたわけでもないのに作ってくれたのは期待の表れだと思う」。そう話した背番号7に後半22分、初めての出番が訪れた。

「復帰してまだ1週間。3か月ぶりの試合だったので本当に不安はありました」。過去には両膝とも前十字靭帯損傷の大怪我を経験し、そのたびに復帰を遂げてきた31歳。弱冠19歳で“日の丸”を背負ったアタッカーはこの日、ピッチ内のチーム最年長選手として、そして初めて担った副キャプテンとしてタッチラインをまたいだ。

 持ち場となったのは浦和時代にも担っていた3-4-2-1の2列目シャドー。「生き生きプレーできていたのはシャドー」と話したように、近年の本職ポジションだ。「リハビリの時からしっかり動きを見ていて、どういうプレーをするのか理解できていた」。1点リードながら鳥栖の強力な攻撃陣に攻め込まれる展開が続く中、前線で身体を張る姿が目立っていた。

「(湘南は)最後まで足が止まらないと感じていて、そこはピッチに入ってやらなきゃいけないところ」。後半アディショナルタイムにはGK富居大樹が2度のビッグセーブを見せるなど、苦しい展開にはなったが、チーム全員で“湘南スタイル”を体現。無失点のままタイムアップのホイッスルを迎えた。

 試合を振り返った梅崎は「復帰したばかりのわりにはできたと思う」と上々の自己評価を口にした。しかし、すぐに視線を前へ向けていた。「これから連戦も続くし、厳しい試合が続く。信じた道をみんなで一緒に、力を合わせて進んでいきたい」。アジア王者からJ2王者に居場所を移した31歳が再スタートを切った。

(取材・文 竹内達也)
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