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[新人戦]3年連続中国1回戦で実現の強豪対決!高川学園が瀬戸内にリベンジ!

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後半28分、高川学園高はMF品部真完が決勝点となるPKを決める

[3.16 中国高校新人大会1回戦 瀬戸内高 2-3 高川学園高 東広島運動公園陸上競技場]

 16日、第10回中国高校サッカー新人大会1回戦で昨年3位の瀬戸内高(広島)と選手権出場校の高川学園高(山口)が激突。3年連続初戦で顔を合わせた両雄の戦いは3-2で高川学園が制した。高川学園は17日の準々決勝で作陽高(岡山)と戦う。

 過去2年の対戦では0-1、1-4で敗戦。高川学園がリベンジに成功した。前半7分にMF佐々木達也主将(2年)のパスからFW山下晴生(1年)に先制点を許したが、「先にやられて自分たちのスイッチが入った」(CB田近洸貴、2年)という高川学園は反撃。推進力のあるFW鳥飼椋平(2年)とFW濱口翔大(2年)の前に出る力を活用しながら相手にプレッシャーをかけていく。

 そして前半18分、CB高木大夢(2年)の右CKのこぼれを田近が右足で決めて同点。ところどころ水溜りのあるピッチで迫力のある攻撃と、落ち着いて相手のマークをずらして攻める部分も見せていた高川学園は、その後も濱口やMF品部真完(2年)が決定的なシュートを放つなど瀬戸内ゴールに迫る。

 一方、瀬戸内は田中健二郎コーチが「今年はフィジカル面の強さが無いので、ボールを動かすしかない」というチーム。国体選抜GK藤元瑞樹(2年)が怪我で長期離脱している中、攻撃のキーマンであるMF吉田寛太(2年)や佐々木、期待の1年生MF田辺利樹らが悪コンディションの中でもボールを横、縦へと動かして相手の守りを広げ、崩しにチャレンジしていた。だが、高川学園の迫力あるディフェンスと重いピッチによって思うような攻撃をすることができない。

 高川学園は後半、江本孝監督が「(県大会で)1回チャンスを与えたら、それからずっとやってくれている」という1年生FW野田康介が果敢な仕掛けを連発。また後半開始から選手権で得点したFW山本廉哉(2年)を投入して高さを加えた高川学園は、CB田近が思い切った中央突破を見せるなど勝利への意欲を示す。

 互いに会場を沸かせるようなシーンを作り合って迎えた後半26分、高川学園は右サイドを突破した鳥飼のクロスをファーサイドの野田がDFの頭上からヘディングシュート。勝ち越し点を決めると、28分には濱口の仕掛けが相手のハンドを誘ってPKを獲得する。これを品部が右足で決めて3-1とした。

 瀬戸内もアディショナルタイムに交代出場のFW加藤竜大(2年)が自ら獲得したPKを決めて再び1点差。だが、直後に試合終了の笛が鳴った。高川学園は田近が「2年間、これまで負けていてこっちはリベンジというか、3度目の正直、絶対に勝つという気持ちで臨みました」と説明した試合を勝利。江本監督は「もう1試合、子どもたちの成長に大きく影響すると思います」という強豪との真剣勝負ができることを喜んだ。

 江本監督が「走り切ること、頑張ることがベースになってきている」と説明するように、継続した取り組みによって高川学園の各選手たちは自分たちが最低限やるべきことを理解している。17年は夏冬全国で1勝。そしてプリンスリーグ中国復帰を果たした。そして今大会ではまず瀬戸内にリベンジ。やるべきことを隙無くやり続けて、そこに個々の特長を加えて、今年はさらなる結果を残す。

(取材・文 吉田太郎)

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