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[新人戦]要所での頑張りと運動量効いた広島観音、中国準決勝進出

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後半9分、広島観音高MF出上直樹(左)が2点目のゴール

[3.17 中国高校新人大会準々決勝 玉野光南高 0-2 広島観音高 広島スタジアム]

 17日午前、第10回中国高校新人大会準々決勝が行われ、玉野光南高(岡山)と広島観音高(広島)が激突。広島観音が2-0で勝ち、高川学園高(山口)と戦う準決勝進出を決めた。

 立正大淞南高(島根)との1回戦では退場者を出し、3-0から追いつかれてPK戦勝利となった広島観音だが、この準々決勝では要所での攻防で相手を上回って勝ちきった。序盤、勢いを持って攻めたのは玉野光南の方だ。「1年間かけて攻撃的なチームを作ろうと言っている」(乙倉健二監督)という玉野光南は、田原佑悟(1年)と川尻裕也(1年)の両SBがゲームメーク。アンカーのポジションに入った注目FW飯尾柊太(2年)のパスからSHが切れ込み、シュートまで持ち込もうとする。

 立ち上がりに押し込まれた時間帯を凌いだ広島観音は後方からMF今井凌(2年)や10番MF出上直樹(2年)を中心にボールを丁寧に繋ぎながら前進。そして、切れ味鋭いドリブルを見せるMF笠井康希(1年)やFW舩田真冶(2年)がゴールをこじ開けようとする。

 玉野光南は25分、選手交代に伴い、飯尾を前線へスイッチ。互いに惜しいシーンも作って迎えた前半33分、広島観音が先制する。左サイドへ開いた舩田のラストパスを今井がスライディングシュートで押し込んだ。

 広島観音はさらに後半9分、左スローインから舩田との連係でカットインした出上が右足シュート。ニアサイドに強烈な一撃を突き刺して2-0した。2点ビハインドとなった玉野光南は飯尾にボールが入った際にはそのキープから攻撃をスピードアップ。PAまでボールが入っていたが、広島観音はCB今野優利主将(2年)や左SB中脇大就(2年)ら4バックがカバーリングを欠かさずに決定打を打たせない。俊足FW青木慧(2年)に抜け出されたシーンもGK松本英駿(1年)がゴールを許さずに2-0で勝利した。

 今年の広島観音には桐蔭横浜大へ進んだ前主将・MF山口直也のような絶対的な存在はいない。それでも終盤でもスプリントを連発していたMF奥村岳(1年)らが武器である運動量を最後まで落とさなかった。内田仁監督が、「(インターハイ16強の昨年と比べて)運動量とか今年の方がいい。運動量、頑張るところしか広島県ではここで上回るしかない」と説明する今年、広島観音伝統のポゼッションと自主性、運動量で結果を残す。

(取材・文 吉田太郎)

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