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「やっても意味ないだろ…」ベルギーでの“きつい時期”を乗り越え、先発出場続ける新潟MF坂井大将

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アルビレックス新潟MF坂井大将(左)

[3.17 J2第4節 横浜FC0-3新潟 ニッパツ]

 きついときもあったと振り返る。初の海外挑戦はVISA取得の関係もあり、わずか半年で終わった。しかし、今季からアルビレックス新潟のユニフォームに袖を通したMF坂井大将は開幕スタメンを飾ると、4試合連続で先発出場を続けるなど自身の存在価値をピッチ上で示している。

 横浜FC戦ではボランチの位置に入って、「間で受けてリズムを作ることや攻撃参加を意識した」と自らに課せられた役割をこなそうと奮闘。左右に散らし、前線に顔を出すなど、その言葉を体現しつつ、むやみに攻め上がるのではなく、状況を見て後方に構えるなどチームのバランスを保ち続けた。前半34分にFW河田篤秀の得点で先制したチームは、同43分にFW矢野貴章、後半29分にMF小川佳純が加点し、横浜FCの反撃を許すことなく3-0で快勝。「僕が決められなくても仲間が3点を入れてくれたし、ゼロで抑えられて勝ち点3を取れて良かった」と笑顔を見せた。

 昨夏、下部組織から育った大分を離れ、ベルギー2部のAFCテュビズに期限付き移籍。移籍直後には出場機会を得ていたものの、その後VISA取得の関係により出場機会を得ることが困難になったため、テュビズとの期限付き移籍を解除することになった。

 紅白戦にも入れない時期があり、「試合に出られない選手に『やっても意味ないだろ』という感じで外され、メンタル的にもきついときがあった」ようだが、「自分で持ちこたえて、今ベルギーでしかやれないことをやろうと思った」と何とか前を向き、「球際での強さや、ドンドン攻撃に絡むことを伸ばそうとした」と自分自身を磨いた。そして、新潟への期限付き移籍を決断し、「今は新潟のために勝ち点3を取り、自分のプレーを出していければと思っている」と決意新たにピッチに立っている。

 東京五輪世代の一人で、昨年5月に韓国で行われたU-20W杯にはキャプテンとして出場。東京五輪の監督に就任した森保一監督率いるチームには、これまで招集されることはなかったが、3月下旬にパラグアイ遠征を行うU-21日本代表に初めて招集された。

 その間もJ2リーグは開催され、新潟は愛媛と徳島と対戦。ここまで守ってきた先発の座を誰かに奪われることになり、「複雑な気持ちもある」と胸の内を明かしつつも、「でも代表に選ばれるのは名誉なことだし、新潟にとっても良いこと。代表で結果を出して、新潟でも結果を出せるように頑張りたい」と代表活動で成長して、再びチームに合流する。

(取材・文 折戸岳彦)
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