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[MOM519]大阪体育大DF有働周平(2年)_安定した守備を支えた169cmのCB

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「90分戦える」と評価の大阪体育大DF有働

[4.7 第96回関西学生L前期第1節 大阪体育大4-0同志社大 J-GREEN堺]

「守備と攻撃のアイデアを改善しようと、シーズン前から取り組んできた」と、大阪体育大の松尾元太監督が話す狙いが表れた一戦となった。多彩な攻撃のバリエーションで、着実に得点を積み上げ、安定した守備で同志社大の攻撃を完封。松尾監督が「失点0で終われたことは大きい」と開幕戦での守備の手ごたえを口にし、「ほぼ、ミスなくこなしてくれた」と勝利の立役者として名を挙げたのが、この日センターバックを務めたDF有働周平(2年=広島皆実高)だ。

 ルーキーイヤーは右サイドバックとしてリーグ戦に出場した有働は、身長169センチとサッカー選手としては大柄なわけではない。その有働を敢えてセンターバックで起用するのは「身体を張って90分戦える選手が最終ラインにいることは、チームにとってプラスだから」という松尾監督の意図によるものだ。本人も「自分の長所であるスタミナや走力、カバーリングの能力を評価してくれている」と初めてのセンターバックに意欲的に取り組む。

「背の低さはウイークポイントだけど、集中してプレーし、入れ替わりや、声を掛け合ってやることで、カバーできる」と有働が言うように、サイドバックとしての経験を生かして、木出雄斗(2年=星稜高)へ細かくポジショニングを指示し、守備をコントロール。パワーがあり、ゴールへ向かう力強い推進力が持ち味の同志社大・FW金潤求(4年=近畿大附高)に対してもくらいつき、「スカウティングビデオで特徴を理解していたので、対応できた」とシュート1本に抑え込んだ。

「無失点は自信になった」と言う有働だが、松尾監督は「ポゼッションというわけではないけれど、後方から自分たちでつないでシュートまでいく形をもっと増やしたい。そのためにはもっと周りを動せるようになって、最終ラインからのビルドアップでいい形を作れるようになってほしい」とさらなる成長を期待する。

 2年目となる松尾体制の体大は、選手たちに多くのポジションを経験させ、切磋琢磨していくことも目標のひとつ。ボランチとセンターバックをこなす田中駿汰(3年=履正社高)や、サイドバックとセンターバックを担える有働のような存在が、今年の体大サッカーをさらなる進化へと牽引していく存在となっていくに違いない。

(取材・文 蟹江恭代)
●第96回関西学生リーグ特集

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