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日本vsコロンビア 試合前日の西野朗監督公式会見要旨

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公式会見に臨む西野朗監督

 日本代表は18日、試合会場となるサランスクのモルドビア・アリーナで公式練習を行い、19日のW杯グループリーグ初戦・コロンビア戦に向けて最終調整した。練習前には西野朗監督が公式会見に出席した。

以下、西野朗監督の会見要旨

西野朗監督
―サランスクに入ってコンディションはどうか。
「昨日というか、未明に日本で大阪を中心とした震災があって、それによって動揺している選手がいる。家族、身内、親族に影響を受けた選手がいるので、彼らの心理的、精神的なところが今、一番気になるところで、スタッフでケアをしているが、一刻も早く落ち着いた状態に戻ってほしいなという気持ちがある。同時にホテル内でも少し動揺することがあったので、今朝の状況は普段どおりに来たとは言えない状況かもしれない。少しそのあたりは気になる。ただ、チームは順調にサランスクに入ってきたし、みなさんは岡崎のことを心配されていると思うが、確かにここ4日、グラウンドレベルには下りられなかったが、昨日、今日とチェックをした中で、メンバーには入っている。心配なさらないでください」

―ホテル内で動揺することがあったというのは。
「ご存知かと思って話したが、(警報の)誤作動があって、震災と同じ時刻だった。モーニングコールかと思ったが、少し長い間、鳴っている中で、デリケートな選手は毎朝見る顔と違って、寝不足の選手の顔があったので、影響があったんだなという感じがした。昨晩はそういうトラブルがあった」

―本田の状態については。ハメス・ロドリゲスにどう対抗するか。
「本田圭佑はヨーロッパのリーグからメキシコのリーグに変わって、その中で彼の成長を図っている。代表チームにも招集を受けたり、受けなかったりということがあったが、私自身は彼の技術的、精神的なところは不可欠として期待する中で招集をかけた。その期待に応えてここ1か月は、テストマッチも3試合のうち2試合トライしてもらって、その中でも確実に彼の本来のプレーに近いところには来ていると確信している。

 ハメスに関しては、コロンビアのシンボル。プレーメーカーでもあり、ポイントゲッターでもあり、抑えていくのは非常に難しいと思う。だれが彼を抑えるということにはならないと思う。グループで、チームで見ていかないといけない。彼を自由にさせる、時間やスペースを与えてしまうと、当然、コロンビアのチームスタイルは確立されてくると思う。マンマークを付けて、彼をピッチから出してしまう。残りの10人対10人で戦えるという確信が持てれば、マンマークを付けてという対応も考えたいと思うが、そうもいかない選手だと思っている。ピッチを縦横無尽に動き、ボールに、スペースに顔を出してくる選手なので、チーム全体として彼のポジションに合わせる中で対応していきたい」

―明日のゲームプランは。最後にどんな言葉をかけて選手をピッチに送り出すか。
「スタートからリアクションサッカーというものは望みたくない。自分たちからアクションを起こした中で、ボールを、ゲームをコントロールしていきたいという考えはあるが、それ以上にコロンビアの組織的、攻撃的なところ、ハメスを中心にした展開力、フィニッシュというところのリズムをまず止めていきたい。彼らのテンポに対して、常にリアクションになっていくような戦いだけはしたくない。その中でも自分たちからアクションを起こしていく。守備から攻撃にどれだけ勇気を持っていけるか。相手ゴールに迎えるか。そういう意識を選手にしっかり持たせたい。常にディフェンスのポジショニングとか、一人ひとりのハードワークを求めることに終始はしたくない。我々も十分にボールを確保できる、保持できる。そのうえで攻撃を仕掛けられるという自信を選手に持たせたい。攻撃的なところのフォーカスを持たせて送り出したいと思っている。当然、リスペクトした中でディフェンスの時間は長いかもしれないが、その中で逆転していく展開のスイッチをしっかり選手に持たせたい」

―就任から時間がなかったが、準備はできているか。肉体的にはコロンビアについてどう考えているか。
「4年間、準備をしてきたペケルマン監督に対し、私は1か月の準備。時間的な準備の差を感じたら、それは勝てない。その中でも選手たちとコロンビアを倒すためのできる限りの準備をしてきた。十二分ではないと思うが、十分であった手応えも感じている。それをぶつけるだけなので。選手が明日、大舞台の中でまた違った反応を起こしてくれる可能性も信じたいし、十分戦えるスピリットを持ってサランスクに入ってきたつもりなので、自信を持ってピッチに立ちたい。

 肉体的というのは、フィジカルのことでしょうか。いろんなフィジカルの要素がある。我々にはクイックネス、俊敏な動き、それを連動させていく力、それがボールと伴ってプレーできる強みがあると思っているので、日本の選手が持っている技術力、規律を持って、動きを伴って入っていけるようなプレーをたくさん出していきたい。選手が本来持っているプレーを素直に大舞台のピッチの上で出せるかというか、それはやはりネガティブな要素がたくさんあると思う。そういう精神的、心理的なところで少なくともコロンビアチームよりも優位に持たせてピッチに送り出したいと思っている」

(取材・文 西山紘平)

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