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最後のW杯に?香川「次は分からない」

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試合後、立ち尽くすMF香川真司

[7.2 ロシアW杯決勝トーナメント1回戦 日本2-3ベルギー ロストフ・ナ・ドヌ]

 取材エリアに姿を見せた日本の10番はどこかすがすがしい表情を浮かべていた。日本代表MF香川真司(ドルトムント)は2-0からの逆転負けを「受け入れがたい結果」としながらも、「でもこれが勝負の世界。彼らのほうが最後に1点多く取って勝ち切った。自分たちはすべてを尽くして戦った。その結果がこれ。受け入れていくしかない」と、ベスト16敗退という現実を冷静に受け止めた。

 0-0で折り返した後半3分、MF原口元気のゴールで先制すると、同7分には左クロスのセカンドボールを香川が巧みなボールコントロールでおさめ、後方のMF乾貴士に落とす。乾の右足ミドルで2-0とリードを広げるまでは完璧な試合展開だった。

 ところが、ここから悪夢が待っていた。後半24分、CKの流れからアンラッキーな形で1点を返されると、同29分にも再びCKの流れから2失点目。2-2の同点に追いつかれ、後半アディショナルタイム4分に自分たちのCKのカウンターから決勝点を献上した。

「2-0までいって、70分まで勝っていて、ひっくり返されたというのは、これが彼らの力だし、これが実力だと思う。何が原因かは分からない。負けた現実はハッキリしている」。地力で相手に上回られた。それしか今、言えることはなかった。

「みんながハードワークして、みんなで必死に戦って、流れを引き寄せた中で2点先取した。それ以上に相手の強さを、どんな形でも点を取ってくる強さをあらためて痛感した」。悔しさをにじませながらも、表情がどこか晴れやかなのは、力を出し切ったという思いがあるからか。4年前のブラジルW杯を終えた直後とは、まったく異なる表情の香川がいた。

「悔いはないと言ったら嘘になるけど、ここにすべてを懸けてやってきた。試合前、自分に言い聞かせた。勝つか負けるかの試合。自分の持っているすべてを出し切ろうと。自分自身、今まで築き上げてきたものを悔いなく出し切ろうと、ずっと思ってやってきた。次への舞台に行きたかったし、その手応えはチームとして感じた」

 日本の10番というプレッシャーとも闘ってきた4年間だった。「(10番を)背負わせてもらえて誇りしか感じなかった。4年前は何もできなくて、それでも自分を信じて(10番を)付けさせてくれた。感謝の気持ちでいっぱい」。22年カタールW杯時は33歳になる。まだ十分に第一線でプレーできる年齢だ。しかし、4年後への思いを聞かれると、「次は分からないですね」と、明言を避けた。「しっかり考えたい。もちろん自分のサッカー人生は続くけど」。香川はそう言い残して、取材エリアをあとにした。

(取材・文 西山紘平)

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