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バチバチの攻防戦は「燃えてくる」。湘南トップの強度をU-17代表で実践するMF柴田壮介

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U-17日本代表MF柴田壮介はU-17クロアチア代表戦の終盤、キャプテンマークを巻いてプレー

[7.15 国際ユースin新潟第2節 U-17日本代表 3-0 U-17クロアチア代表 スポアイランド聖籠]

 ピッチに彼が加わると、U-17日本代表のプレー強度が一つ上がる印象だ。MF柴田壮介(湘南U-18)は、両チーム合わせて8枚のイエローカードが飛び交ったU-17メキシコ代表との初戦(14日)で先発フル出場。非常に球際の激しい攻防戦で自らもイエローカードを受けたが、その一戦について振り返る表情からは、自然と笑みがこぼれ出ていた。

「メキシコがバチバチ来ていて、球際の部分とか結構やり合っていたんですけれども、それで負けずに勝っていたかなと思います。(バチバチにやり合うのは)楽しいですね。逆に燃えてくるというのがあります」と柴田。メキシコの激しさに負けずに勝利したボランチは、この日のU-17クロアチア代表戦でも2-0の後半23分から出場し、試合を締める役割を見事に全うした。

 まずはチームのバランスが崩れないように意識。こまめに首を振って状況を確認するMFは攻守の切り替えが速い。相手のパスワークに対して素早くスライドし、自分の“射程距離”にいる選手に対しては鋭いアプローチで距離を詰めてボールを奪ったり、後ろ向きにさせたりしていた。「勝っている状況だったので、失点無しという自分の役割を理解して、しっかりと試合を締められたかなと思います」。チームメートとの連動した守りでクロアチアにほぼ反撃の機会を与えず、3-0での快勝に貢献した。

 16歳で迎えた今年3月のルヴァン杯・長崎戦でトップチームデビュー。4月の鳥栖戦では初先発も経験した。日常から湘南トップチームの強度を体感。今回のU-17日本代表は普段、ユース年代での練習・試合をしている選手がほとんどだが、柴田はプロ相手に経験している部分をしっかりとチームにもたらしている。昨年は自身がどうプレーするべきか迷うところもあったというが、今年はまず守備をしっかりとしながら攻撃にかかわっていくことを確立。初の年代別日本代表招集となったU-17代表では、特に強度ある球際でのプレーと運動量を発揮しながら、攻守でボールにかかわる動きで存在感を放っている。

「湘南のトップは強度高くて、毎日ああいう感じでやっているので、(U-17代表に入っても)それがパッと出るのはトップの中でやらせてもらっているからと思います。トップとかでもやらせてもらっていたんですけれども、なかなか(代表チームに)呼ばれなくて、自分も悔しい思いをしていました。呼ばれて嬉しいと同時に、こういう中でも自分が芯を持って自分のやるべきことをやらなければいけないと思っています」。

 現在、課題に感じている部分は「トップの人に比べるとフィジカルのところじゃなくて、技術のところが全然足りなくて差がまだあるので、日々の練習で差を詰めていくしか無いですね」という。フィジカルの部分はタイミングや身体の入れ方で補うことができているが、技術レベルをもっと上げなければトップチームでポジションを勝ち取ることはできない。

「今、丁度ワールドカップをやっていて、自分も憧れるところで、自分も出たいと思っているので、日々の練習から(将来)こういうところに来れるように意識を上げて、世界と戦える“基準”をもってこれからもやっていきたいです」。登録168cmと小柄だが、ポテンシャルは十分。課題に目を向けながら、向上心を持って成長し、世界トップレベルで戦う“基準”を得て夢をかなえる。 

(取材・文 吉田太郎)

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