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[プリンスリーグ九州]攻守の要が印象的なプレー。大津がインハイVへ向けて弾みの1勝

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大津高DF福島隼斗主将が印象的なプレーで勝利に貢献

[7.14 高円宮杯プリンスリーグ九州第9節 大津高 2-0 九州国際大付高 大津町運動公園]

 高円宮杯JFA U-18サッカープリンスリーグ九州2018の第9節が14日に行われ、4位の大津高(熊本)と9位の九州国際大付高(福岡)が対戦。FW奥原零偉(3年)とFW大崎舜(3年)のゴールによって大津が2-0で勝利し、3位に浮上した。

 初の全国制覇を狙うインターハイに向けて、大津の仕上がりは万全。入学時から期待を集めてきたタレントが揃う中でも、特に注目される攻守の要2人がインパクト十分のプレーでチームを牽引した。

 猛暑の中で行われた一戦は、MF富永大翔(3年)、高見柊真(3年)を中心にテンポ良くボールを動かし、サイドアタックを狙った大津ペースで進む。序盤に見せ場を作ったのは、10番を背負うU-18日本代表のMF水野雄太(3年)だ。ボールを持ったら急加速する得意のドリブルで相手を翻弄したが、「序盤は思い通りに抜けていたけど、シュートが打てなかった。なら、縦に仕掛けようと考えたけど、今度はクロスの精度が上がらず点にならなかった」(水野)。

 ただし、今年は一人が上手く行かなくても大津の攻撃の怖さは低下しない。前半25分には、DF西原大地(3年)のオーバーラップから、MF松原亘紀(3年)と繋いで右を崩すと、水野が中央に走り込んで反応する。「アイツが左足でボールを持ったら、受ける準備をしている。あの場面は、ちょうど目が合ったタイミングでボールが来た」。水野がそう振り返る阿吽のコンビネーションでゴール前を崩すと、ラストは奥原が決めて、大津が先制した。

「暑さと順位を考えると、90分のどこでスイッチを入れるか考えなければいけない。クーリングブレイクがあったので、序盤を0-0で切り抜ければと思っていたのに、失点したのが痛かった」。そう杉山公一監督が振り返ったように、試合プランが崩れた九国大付は前半の終盤から攻勢を強めると、後半からは、181cmのDF花田周勇(2年)と152cmのMF森永将斗(2年)の凸凹コンビなど次々に交代カードを投入。MF田中龍人介(3年)のパスや、DF稗田凌太(2年)のクロスからパワフルな攻撃を仕掛けた。

 大津は前半同様、主導権を握りながら同点弾の献上が怖いシチュエーション。そこで頼りになったのは、プロ入りが有力視される主将のDF福島隼斗(3年)だ。新チーム発足後は本職のボランチでプレーしたが、インターハイ予選の途中からもう一つの持ち場であるCBでもプレー。この日は、気迫溢れる守りと、「想像以上に暑かったので、常に話しておかないと集中が切れるので、CB2人で声を出そうと意識していた」と振り返る声出しでチームの守備を支えた。

 活躍は、守りだけに留まらない。「自分がCBに入る意味はボールを配球するため」と話すように、最終ラインからの組み立てで攻撃のスタート地点としても、機能。中でも相手にとって、脅威になったのは右CBから対角に繰り出すロングフィードで、この日は水野への配球が何本も通り、相手は大きなスライドを余儀なくされた。

 アディショナルタイムには運動量が落ちた相手の隙を突いて、自陣から福島がロングパス。いち早くゴール前を抜け出した大崎が冷静にGKをかわして追加点を奪うと、そのまま2-0でタイムアップを迎えた。水野が「2点獲れたことと、ゼロで抑えられたことはインターハイに向けて大きい。あとは一丸となって、自分たちの力を信じて、今までやってきたことを全部出せれば、全国制覇も夢ではない。注目されている分、硬くなるかもしれないけど、注目を力に代えて、インターハイでは良いプレーできるようにしたい」と口にしたように、実りの多い勝ち点3となった。

(取材・文 森田将義)
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