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トップチームも注目、徳島のマルセロ系WB久米航太郎が試合の流れ一変させる一撃

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徳島ヴォルティスユースの左WB久米航太郎は流れを変えるゴール

[7.22 日本クラブユース選手権U-18大会GL第1節 三菱養和SCユース 2-2 徳島ユース 前橋フットボールセンター]

 第42回日本クラブユース選手権サッカー選手権(U-18)大会が22日、群馬県内の各会場で開幕した。前橋フットボールセンターの第1試合では三菱養和SCユース徳島ヴォルティスユースが対戦。関東予選を首位で通過してきた三菱養和に対して徳島が粘り強く戦った結果、2-2の引き分けに終わった。

 U-17日本代表FW栗原イブラヒムジュニアの一発で三菱養和が先行する展開となったが、徳島のタレントも確かな輝きを放った試合だった。1点ビハインドで迎えた前半20分に魅せたのは徳島が誇る左ウイングバック、久米航太郎。10番のMF八木祐哉との巧みなコンビネーションプレーから三菱養和守備陣を切り裂くと、「DFとGKが重なっているのが見えた」という冷静なジャッジからシュートを選択。これが決まって試合を振り出しに戻した。

 前半の飲水タイム直前に起きたこのワンプレーが試合の流れを一変させたと言っても過言ではなかった。「ウォーミングアップからちょっと気持ちが入れ込みすぎていた」(羽地登志晃監督)徳島は序盤から三菱養和の栗原を活かすダイナミックな攻撃に飲み込まれかけていたが、この1点を機に落ち着きを取り戻し、殴り合い上等とでも言うべき流れに持ち込んでみせた。

 久米はその後も左サイドで存在感。左利きながら右足でもボールを違和感なく触れる技術の高さでボールの収まりどころとして機能しつつ、前に出てはチャンスシーンを作り出した。これには三菱養和・増子亘彦監督も「4番(久米)はいいですね」と語るほど。トップチームの練習にも顔を出してきた成果か、三菱養和の速いプレスに対しても戸惑いを見せなかった。

 終盤はポジションを一つ下げてバックラインでもプレー。トップチームの練習参加時に「寄せの甘さを指摘されて、そこから自分で意識している」という守備面での集中力も発揮してみせた。

 結果は2-2のドロー。「勝てる試合だったと思う」とまったく満足感を見せなかった久米だが、今後の夢を聞いてみると、「あんまりでかいことは言いたくないんですけど」と前置きしつつも、「世界で活躍できるサイドハーフ、サイドバックになりたい」と熱いコメント。その上で「ブラジル代表のDFマルセロが好きなので、守備もできて攻撃もできる、そういうタフな選手になりたい」と大きな目標を語ってくれた。

 その大きな夢のためにも、この大会でチームとしても個人としても、持てる力を示すのみ。「出るからには優勝を目指しているので」と次のゲームを見据えていた。

(取材・文 川端暁彦)
●第42回日本クラブユースサッカー選手権(U-18)大会特集ページ

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