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苦しい台所事情も…京都U-18は逆転での2位通過へ諦めない

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ベンチに下がった江川に変わって京都サンガF.C.U-18のDFラインを支えたDF竹島京介

[7.22 日本クラブユース選手権U-18大会GL第1節 鹿島ユース 2-0 京都U-18 NTT図南]

「これが今の実力やと思っています。いろんな現象が起こったけれど、一つのミスが試合を決める。(昨年のJユースカップ優勝や、今年のプレミアリーグの好成績で)強くなった気でいたかもしれないが、今日の試合でいろんなものが見えました」。

 試合後、京都サンガF.C.U-18を率いる岸本浩右監督は冷静に試合を振り返っている。ゲームへの入り方は悪くなかった。しかし、最終ラインへのバックパスの精度を欠いた、その一つのミスから先制点を奪われてしまい、試合の流れは苦しいものとなった。「もったいない失点。相手はあれを狙っていたと思う」と試合途中からキャプテンマークを巻いたDF竹島京介も悔しさをにじませた。

 今大会は猛暑対策で試合時間は35分ハーフに変更されており、一つの得点、一つの失点が試合展開に与える影響は増している。それを踏まえてベンチも早いタイミングで選手交代を行って反撃に出たが、後半31分にFW服部航平が放ったシュートは鹿島ユースのU-16日本代表GK山田大樹の好セーブに防がれる。

 プレミアリーグWESTでは得点ランキング1位を走る服部だが、放ったシュートはこの1本だけ。いい形で前線にボールが入らなかった。岸本監督は「パスを入れて、奪われればカウンターを食らってしまう。それを恐れて(パスを)躊躇してしまったのかもしれない」。MF杉田迅は「バイタルエリアまではボールを運べている。その先の崩し方ですね。あと2戦あるので切り替えたい」と巻き返しを誓っている。

 台所事情は苦しい。年代別日本代表に名を連ねるMF福岡慎平とMF上月壮一郎はJ2残留争いの渦中にいるトップチームに帯同しており、今大会は参加できない。負傷離脱中のFW津野絢世も復帰は大会終了後。さらに、この試合ではチームの精神的支柱であるDF江川慶城が猛暑の影響か、前半途中で交代を余儀なくされた。
 
 だが、第2節は試合終了間際にFW小宮健が決めた同点弾によって広島ユースと1-1でドロー。昨年は同じグループの町田ユースが、初戦敗退から持ち直して2位通過を果たした事例も目の前で見ている。「この暑さの中でも鹿島さんは『京都を倒すぞ!』と力強く、気持ちの入ったプレーをしてきた。次は自分たちがそれを見せたい」(岸本監督)。他力だが、最終節で勝てば2位に入る可能性がある。それだけに、京都U-18は強い覚悟を持って、栃木SCユースとの最終節に立ち向かう。


●第42回日本クラブユースサッカー選手権(U-18)大会特集ページ

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