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[MOM2572]清水ユースFW川本梨誉(2年)_エース交代で「自分がやんないと…」“迅くん”仕込みの決勝アシスト

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決勝点をアシストした清水エスパルスユースFW川本梨誉(2年)

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[7.30 日本クラブユース選手権U-18大会準決勝 清水ユース1-0福岡U-18 味フィ西]

 何度も破った左サイドの最終ライン裏、最後のチャレンジでようやくゴールをこじ開けた。清水エスパルスユースFW川本梨誉(2年)は準決勝の後半38分、FW山崎稜介(2年)の決勝弾をアシスト。チームを2年ぶりの決勝戦に導いたドリブル突破には指揮官も「グイグイと推進力を出してくれた」と称えた。

 高校年代ではサイドバックを任されることもあった川本だが、今大会ではエースで主将のFW齊藤聖七(3年)とともに最前線での出場。アグレッシブなメンタリティーを持つ選手であるだけに「いまは好きにやらせてもらっている。攻撃が好きなのでやっぱり楽しい」と幸せを感じながらのプレーとなっているようだ。

 準決勝では「聖七くんとは縦関係になって、自分の裏に出るという特徴を生かす」という狙いでキックオフからピッチに立ち、序盤から何度も左サイドのライン裏に抜け出した。しかし、最初のシュートチャンスでは枠に入れることはできず、GK桜木亮太(2年)のビッグセーブにも阻まれるなどし、優勢だった前半に試合を動かすことはできなかった。

 さらにこの試合では「予選から頼り切りだった」という齊藤が前半途中に脱水症状を起こし、普段のパフォーマンスを披露できず。「やりたい」と直訴したためプレーは続けたが、後半途中に無念の途中交代となった。川本は「聖七くんの代わりに自分がやんないと」という思いで終盤の攻防に臨んだ。

 そんな後半38分、「練習から監物くんとは意思疎通ができていて、見なくても関係性が良い」というDF監物拓歩(3年)のフィードに川本が抜け出す。意識していたのは高校に入って学んだという「ふくらむ動き」。うまく最終ラインの間隙を突いて、最後に立ちはだかった相手DFもするりとかわし、低いクロスを山崎の頭にピタリと合わせた。

 このビッグプレーの裏には昨季のエースで、現在はトップチーム所属のFW平墳迅の存在もあったという。PA内で相手を抜き切った姿勢は「迅くんをイメージした」もの。また「寮のお風呂で迅くんから『身体はいまのうちから鍛えたほうがいい』と言われて、オフの日に筋トレをやっている。継続してきたことが生きた」と感じているようだ。

 清水ユースは一昨季のクラブユース選手権、昨季のプレミアリーグEASTで共に2位となり、目の前でタイトルを逃してきた。だが、川本ら清水ジュニアユース出身の2年生は2年前に“中学3冠“を果たし、勝利の味を知っている選手たちだ。「準決勝の試合前にはみんなで『やっとここまで来れた』と言っていた。綺麗なピッチなので決勝戦も楽しみです」。2年前の冬と同じ西が丘のピッチで、2年生アタッカーが歓喜を待ち望む。

(取材・文 竹内達也)
●第42回日本クラブユースサッカー選手権(U-18)大会特集ページ

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