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U-21日本代表メンバー発表 森保一監督会見要旨

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U-21日本代表を率いる森保一監督

 U-21日本代表の森保一監督は3日、JFAハウスで記者会見を行い、アジア大会(インドネシア・ジャカルタ)に向けたU-21日本代表メンバー20人を発表した。

以下、森保一監督の会見要旨

森保一監督
「本来であれば今回のメンバー発表は、女子もアジア競技大会に出場するので、男子、女子一緒にできれば一番良かったが、女子は今は日本にはいないので。このアジア大会、サッカー男子、女子ともに良い結果を出して、応援して下さる方々が喜んでくれるようにベストを尽くしていきたい」

――東京五輪まで2年というタイミングで、暑さや過密日程等、良いシミュレーションになると思うが、今大会の狙いは?
「質問で頂いたとおり、今大会は暑い中で日程的にもハードという部分では、東京2020五輪本大会に向けて、良いシミュレーションになると思うし、選手にとっても良い経験になる。目標としては1試合でも多く、1試合1試合の結果にこだわってやり切ることを選手に要求しながらやっていきたい」

――Jリーグ期間中で選手選考も悩んだと思うが、どういう基準で選出したか。
「アジア大会だけでなく、東京五輪世代の活動のときは毎回いろんな条件があり、その中で選手を選んでいくということでやってきた。今回も、その条件の中でベストな、今後につながるメンバー選考をしてきた。視察も多く重ねているし、その中で良いパフォーマンスをしている選手を中心にメンバー選考している。これまでの選考については、そのときのベストということに間違いないが、将来、本大会を踏まえてラージグループとして捉えて、各大会ごとにメンバーを大幅に変えながら、多くの選手に経験を積んでもらう。全体的な底上げをしながら、最終的な東京五輪の本大会に一番強いチームを作れるようにと思って活動している」

――目標は?
「目標は1試合でも多くということは、頂点に立つということを目標にやっていきたいと思うが、常々考えているのが、アジアの大会でベスト4以上には入りたいと思っている。なぜかというと、今回、東京五輪には予選がなく本大会に参加できるけど、世界の大会に参加していくことを考えると、育成年代のところ、W杯、フル代表のところを含めて、ベスト4以上が世界につながっていく。そういう捉え方で大会に臨もうと考えている。やはりアジアを突破するのは非常に難しいことだと思う。でも常に日本代表は、どのカテゴリーでも、そこを考えていきたい。フル代表については参加国数とか変わったりするが、現段階ではそう考えている」

――舩木、岡崎をどこで見初めたのか、また期待することは。
「まず舩木については、東京五輪の代表チームが立ち上がった時から、U-20の世界大会に行った選手をどこかで招集してみたいというのがあった。これまでタイミングとか、本人の状態とかを含めて招集できていなかった。トップチームではなかなか出番がないが、J3で出ているということで、招集させてもらった。岡崎はFC東京でコンスタントに試合に出ているし、確固たるレギュラーではないと思うが、出場している時のプレーを見て、一度招集させてもらって一緒に活動する中で実力を見てみたいという思いで招集した」

――この世代では5度目の活動だが、チームづくりの中で新たにどういったトライをしていきたいか。また、ロシアW杯帯同中に行われたトゥーロン国際大会では、指揮を執ったコーチングスタッフからどういった報告を受けているか。
「これまで我々がやってきたこと、これからやっていくことという部分では、積み上げていくところはしっかり積み上げていきたいし、私がロシアW杯に帯同させてもらって、西野監督からいろんなことを学んだ。戦術的なところに加えて、システム上だけでなく、いろんな変化をつけていくことは、今大会になるかは分からないけど、トライしていきたいというイメージはある。また、私はトゥーロン国際大会には帯同できなかったが、スタッフからはチームとしての積み上げは確実にできていると聞いている。また新たな選手を招集して、新たな選手が入って、どういう影響をもたらすかというのはポジティブなものを聞いているし、コンセプトも意思統一しながらやってきたと。だが、自分たちのミスから流れを悪くしたりというのがまだまだ起こっているので、そういうところでやるべきところや、チームのクオリティー、個人のクオリティーをもっともっと上げていかないといけないと思っている」

――東京五輪までの2年間でのチーム作り、オーバーエイジを呼ぶタイミングのイメージは。
「オーバーエイジを呼べるのであれば、次の大会から呼びたい。なぜかと言うと、監督、コーチ、指導者から選手が影響を受けて成長していくことはもちろんあるが、経験のあるベテラン選手から言葉で伝えてもらう、一緒にプレーをして感じてもらう、背中を見せてもらうことがあると、若い選手、経験の浅い選手は成長につなげてくれると思うので、できれば次の大会からも来てほしいという思いはある。これまで東京五輪代表のチームで起こっているミスは大体同じで、失点というのも、トゥーロンで課題としては改善されたと聞いたが、1失点すると、短時間で複数の失点をしてしまうというメンタル。そこで踏ん張り切れないことがあった部分で、経験豊富なベテランの選手がいれば、どうやって戦ったらいいとか、どういうメンタルを持って続けていったらいいのかということを含めて、そこは東京五輪世代のこれまでの課題という話をしたが、いろんな局面で経験がある選手から伝えていく、見せてもらうというのは大きいと思うので、その融合は早い方がいいと思うが、いろんなことがあるので、タイミング等を考えていきたい。チーム作りとしては2020年の東京五輪の本大会が一番大切だと思うので、その本大会で最強のチーム、一番力を発揮できる状態になるようにチーム作りをできればと思っている。もちろん毎回毎回、毎試合毎試合、勝ちにこだわっていく部分を大切にしていくことは無駄ではないので、そのときに一番チームとして良いこと、選手にとって良いこと、次につながることということは考えながら、本大会で最高のチームを作れるようにしたいと思っている」

――チームは早めに固めるか。
「大会が近くなればなるほど、チームとして固めていくこと、特にコアな部分を固めていくのはあると思うが、それも自然だと思うし、チームを固めていくことを考えていても、この世代の選手だけではなくて、実力とか調子でパフォーマンスが変わっていくのがサッカー界だと思う。まだ大学生もいるけど、プロの世界だと思うので、段々本大会に向けてコアなチームを作っていくことに変わりないが、そこには競争があるということ、そこは選手の状況を見てやっていきたい」

――ロシアW杯が終わり、A代表の選手も何人か出場したいと意思表明しているが、オーバーエイジとして出たいという選手の表明をどう捉えているか。
「今、A代表の選手たちが、ロシアW杯に出た選手たちが東京五輪に向けてオーバーエイジでのプレーを表明してくれているところ、チーム作りに貢献したいと表明してくれるのは本当にありがたいし、心強いし、うれしい。最終的に誰を選ぶかは、もちろん現段階では決まっていないが、東京五輪世代の選手にはオーバーエイジも含めての競争だと伝えているし、オーバーエイジ枠の部分も、チームのどこに必要なのか、誰が必要なのかになるかもしれないし、そこは考えていきたい。うれしいのは、本当に代表チームを日本人として支えていきたい、よりレベルアップさせていきたい、貢献していきたいと思ってくれる気持ちはありがたいし、大切にしていきたい。自分としても、私がやっていきたいことは、まだまだ経験が浅い選手が多い東京五輪代表チームだけど、経験豊富な選手たちにいろんな関わりを持ってもらって、経験を伝えてもらう。より良い選手になるために、接点を持てる環境が作れたらいいと思う」

――アジア杯で東京五輪代表の強化の場にするつもりはあるか。アジア大会以降の展望は?
「完全に固まっているプランがあるわけではないが、就任会見でもお話させて頂いたが、世代間の融合をやっていきたい。東京五輪世代の若い選手をA代表に引き上げていくこと、その点についてはチャンスを与えるべき選手には経験してもらう、ということをやっていきたい。どこまでやるか、どういう割合でやっていくかというのは自分の中で決まっていないが、とにかく融合させながら日本代表の結果を求めつつ、結果にこだわりつつ、全体の底上げをしていくというのを両方考えている」

――秋に合宿などをやっていくつもりは?
「現実的には無理なのかなと思うが、いろんなプランを考えて、どうやったら全体が広がるかというのを良い形でやれればなと思う」

――東京五輪とA代表をスムーズにするために、コンセプトを貫くという考えは?
「A代表と東京五輪代表のコンセプトは共有していきたいと思う。招集した選手がトライしていく状況が違うので、システムとか見える形は違うと思うが、やっている形や心構えは同じコンセプトでやっていきたいと思っている」

(取材・文 折戸岳彦 竹内達也)
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