beacon

前日の“6時間ゲーム”後わずか半日で決勝、延長戦。桐光学園は準優勝に

このエントリーをはてなブックマークに追加

桐光学園高は準優勝。(写真協力=高校サッカー年鑑)

[8.13 総体決勝 桐光学園高 1-2(延長)山梨学院高 鈴鹿]

 雷雨中断の影響により、異例の“6時間ゲーム”となった準決勝が終了したのは前日12日の午後5時20分頃。桐光学園高はそこからわずか半日ほどで13日午前11時開始の決勝戦を迎え、延長戦を含む90分間を戦い抜いた。

 前半20分にMF中村洸太(2年)の右クロスから今回のインターハイでハイパフォーマンスを続けていたエースFW西川潤(2年)がヘディングシュートをゴール右隅にねじ込む。幸先良く先制点を奪った。

 鈴木勝大監督が「推進力もありましたし、守備の粘り強さ、ポジショニングも悪くなかった」と振り返ったように、選手たちは疲れの影響を大きく感じさせないような戦いを見せていた。その後、自分たちよりも準決勝後の“休養時間”が長かった山梨学院高にペースを握られる時間帯もあったが、いずれも大会優秀選手に選出されたCB望月駿介(3年)とCB内田拓寿(3年)を中心に良く跳ね返して1-0を継続。カウンターから決定機も作り出していた。

 だが、8分間が提示された後半アディショナルタイムの5分、西川が素晴らしいボディフェイントによる突破から放った左足シュートを相手GKの好セーブに止められると、カウンターを食らってしまう。

 望月がクリアしようとしたボールが相手選手に当たってこぼれる不運も重なり、失点。延長戦でも彼らは良く走っていたが、今度はオウンゴールで突き放され、それを取り戻すことができなかった。

 前日はいつ再開されるのか見えないまま、4時間に渡ってロッカールームで時間を過ごすことになった。鈴木監督は将来ある選手を守るために運営側に決勝の開始時刻を遅らせることができないか相談したというが、動かすことはできなかったという。

 今回のインターハイでは気候を判断した上で前後半各開始15分頃の約3分間のクーリングブレイク、28分頃の飲水タイムなど選手の負担軽減に目が向けられていたが、第1に余裕のあるスケジューリング、ナイターを含めた開始時間や試合時間短縮などの検討、アクシデントが起きた後の対応など考えなければならない問題がある。

 各校にとってインターハイが貴重な強化期間になっていることは確か。鈴木監督は選手権へ向けて「ウチの強化には繋がった」と語っていた。非常にタフな6試合を経験した桐光学園の目標は選手権制覇。望月が「メンバーに入れなかった選手に申し訳ない。この借りを選手権でぶつけれられるように」と語ったように、今夏、学んだこと、悔しさを冬にぶつける。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校総体2018

TOP