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ルヴァン杯で活躍のMF中山が貫禄の2G1A!東海大相模が繋いで、崩して湘南に逆転勝ち!

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東海大相模高はMF中山陸(6番)の2ゴールなどによって逆転勝ち

[9.22 選手権神奈川県予選2次2回戦 東海大相模高 3-2 湘南高 かもめパーク]

 第97回全国高校サッカー選手権神奈川県予選は22日、2次予選2回戦1日目を行った。関東大会予選優勝校の東海大相模高と伝統校・湘南高との一戦は、東海大相模が甲府内定MF中山陸(3年)の2得点1アシストの活躍などによって3-2で逆転勝ち。10月20日に行われる3回戦へ進出した。

 東海大相模は甲府の特別指定選手としてルヴァンカップ準々決勝(対柏)2試合に先発出場し、第1戦でゴールも決めている中山が違いを見せるプレー。相手の堅い守りに苦しんだものの、有馬信二監督が「蹴って行かせたくない。繋いで崩して全国に行かせたい」というチームは中山や有馬監督の息子であるMF有馬和希主将(3年)、10番MF中島優太(3年)を中心としたショートパスとドリブルで湘南を攻略した。

 立ち上がり、東海大相模は立て続けにチャンスを作ったが、1年生GK開發淳のファインセーブにあうなど湘南にしのがれてしまう。湘南は自陣でコンパクトな守備ブロックを形成。多くの時間帯で東海大相模にボールを握られたが、DFラインで繋がれることは気にせず、スイッチ役の中山、有馬封じを徹底する。FWやMF榮田大(3年)が厳しく挟み込んで相手のキーマンに自由を許さない。

 東海大相模は中山のサイドチェンジや中島のドリブル、クロスなどからゴールに迫ったが、湘南はCB山内涼太郎(3年)とCB鈴木康正(3年)中心にゴール前で集中した守りを続ける。その湘南はリスクを回避しながらも、良い形でボールを奪った際には前線で奮闘するFW吉田知史(3年)やハイサイドへの配球から速攻。すると、21分に先制点を奪う。右MF神山歩夢(3年)が中へ切れ込んで放った左足シュートで獲得した左CKを10番MF英翔太(3年)が蹴り込むと、ファーサイドの山内が豪快なヘディングシュートでゴールに叩き込んだ。

 180cm級の選手4人を擁した湘南は、立ち上がりから見せていた空中戦での強みを相手ゴール前でも発揮してリードを奪った。対する東海大相模はサイドを活用しながらシュートシーンを作り出すが、湘南GK開發がファインセーブを連発。逆に湘南にサイドを崩されてピンチを迎えるなど、前半は0-1のまま折り返すことになった。

 それでもハーフタイムに有馬監督から「スペースがあったらドリブルで行くこと」「DFが食いついてきたら当てないで繋いで崩すこと」を指示された東海大相模は後半7分、右スローインからPAで縦に仕掛けた右SB島田惇広(2年)がPKを獲得。これを中山が左に決めて同点に追いつくと、11分には右中間でのワンツーからFW吉田浩太(3年)、中島と繋いで最後はPAで右へ持ち出してシュートコースを作った中山が、角度のない位置から右足シュートを決めて逆転した。

 さらに20分、東海大相模は中山の右CKを吉田が頭で決めて3-1。MF有馬が「自分たちはしっかり繋いで相手を崩せるとハーフタイムに話していたので、その通りにしっかり崩してセットプレーでも獲れて良かったんじゃないかと思います」と振り返ったように、ビハインドにも慌てず、その上で仕掛ける姿勢を高めて得点に結びつけた。東海大相模はその後も左SB千島蒼生の攻め上がりや中島のドリブルシュートなどで4点目を狙う。

 だが、諦めない湘南は2点差を維持すると、セットプレーやサイド攻撃からあわやのシーンを作り出す。そしてアディショナルタイム突入後の44分、ゴール前での空中戦を連続で競り勝つと、最後は山内が右足で2点目のゴールを奪った。1点差に沸く湘南応援席。だが、再開直後に試合終了の笛が鳴った。

 東海大相模は有馬監督が「かなり苦しむと思った」という初戦で2失点。プロの世界で1点の大事さを体感してきた中山は「1失点するだけで流れが変わってしまう。失点はゼロで抑えていかないといけない」と引き締めていた。それでも主力の欠場者がいた中で攻撃力の高さを改めて示して初戦突破。昨年、インターハイ予選と県1部リーグを制し、今年は関東大会予選優勝と着実に結果を残してきている「神奈川のタイガー軍団」は、注目の存在だ。

中山は選手権での目標について「全国出る、というそれだけ。絶対に神奈川で負けないようにしていきたいと思います」。より攻守の質を上げて、期待の世代が選手権初出場を果たす。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校選手権2018

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