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「新しい風を感じた」槙野智章が語る森保ジャパン初陣の舞台裏

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新スパイク「X(エックス)」を手に持つ日本代表DF槙野智章

 アディダスは本日25日より、ストリートトレンドを取り入れたスモーキーなパステルカラーのフットウェア『SPECTRAL MODE PACK』の発売を開始した。各フランチャイズからオフホワイトの「X(エックス)」、クリアミントの「COPA(コパ)」、クリアオレンジの「PREDATOR(プレデター)」、アッシュシルバーの「NEMEZIZ(ネメシス)」がラインアップ。FIFAワールドカップ(W杯)ロシア大会でもエックスを着用した日本代表DF槙野智章(浦和)に真っ白な新スパイクの印象とともに、新たな監督、新たなスタッフ、新たなチームメイトとともに始動した森保ジャパン初陣の舞台裏を聞いた。

―今回のエックスは真っ白という斬新なカラーリングですが、どんな印象ですか?
「すごく新鮮ですね。最近は蛍光色のスパイクが多いので、逆に目立つのかなと思います。浦和レッズのセカンドユニフォームが白なんですが、このエックスを履くと、白ユニ、黒の短パン、白ソックス、白スパイクとなって、スパイクとソックスが同化するので、スタンドから見ている人は僕がスパイクを履いているのか分からないかもしれないですね(笑)」


―森保ジャパンの初陣が終わりましたが、監督だけでなく、選手も大きく入れ替わった中での合宿でした。
「選手だけでなく、スタッフもガラッと変わって、お互いが初めての合宿でした。最初はすごく探り探りな部分もありましたが、森保監督をはじめ、コーチングスタッフも元サンフレッチェ広島の方が多く、たまたま僕はよく知っている人たちでした。自分の役割はプレーだけでなく、パイプ役になるといいますか、選手とスタッフの間にうまく入ることを意識しました。森保ジャパンになってスタッフも変わったというのは決意の表れなのかなと感じましたし、今までずっと同じ色だったところに新しい色が加わって、すごく新しい風を感じましたね」

―その新しい風はピッチの中でも外でもということですか?
「そうですね。練習へのアプローチの仕方もそうですし、今までは練習が終わったらすぐロッカールームに戻って、シャワーを浴びて帰るだけという感じでしたが、今回の合宿ではある程度、選手たちに自由な時間が与えられました。居残りで個人メニューに取り組む選手もいましたし、選手にとってストレスのない空気感をつくってくれるというのが新しい代表チームの良さなのかなと思います。食事の雰囲気も、良い意味でリラックスしていますね。今までは全員がそろわないと食べられないとか、締め付けられている感じがあったんですが、そういう部分でも自由になったというのはあります。新しい風という意味では本当に新鮮でしたね」


―個人的に今回の代表合宿で一番驚いたことはなんでしたか?
「若い選手たちが、自分が若いときのサッカーに対する考え方とはまったく違う考えを持ってプレーできていることですね。すごく考えているなというのは感じました。年上の選手たちにも積極的に質問しますし、質問のクオリティーが高いといいますか、自分だったらそういう質問はできなかったなと。東京五輪世代から堂安(律)選手、冨安(健洋)選手、伊藤達哉選手という3人が初招集されましたが、若くして海外でプレーしているということもあって、良い意味で日本人らしくないんですね。分からないこと、気になることがあったら、相手が先輩でもスタッフでも何でも聞きに行く姿勢というのは、自分が同じぐらいの年齢のときにはなかなかできなかった行動なので、素直にすごいなと思いました」

―質問のクオリティーが高いというのは?
「自分ができなかったことについて聞くのは当たり前ですが、こちらからするとすでにできているのに、『もっとこうしたほうがより良かったですか』ということをよく聞かれました。冨安選手だったら『こういう守り方をしたらもっと簡単に守れますよね』とか、堂安選手だったら『もっとここの嫌らしいところに入っていったら(DFは)見えないですか』とか。伊藤選手は高校生のころに海外に渡って、こうしてA代表に呼ばれたということもあって、飛行機での長距離移動であったり、海外と日本のグラウンドの違いであったり、日本人選手と一緒にプレーする難しさについても話しましたね」

―逆に日本人と一緒にプレーするのが難しいと。
「そうですね。そういう若い選手たちと一緒に練習することで僕自身、刺激をもらいました。最初は『俺、溶け込めるのかな』と不安だったんですよ。浮いちゃうんじゃないかなって(笑)。でも、気づいたら周りに20歳、21歳の選手がいるところに自分もいて、意外と居心地がいいなと思いながら過ごしていましたね(笑)」

―リオデジャネイロ五輪世代や東京五輪世代など、世代ごとに固まるという感じでもなかったんですね。
「自然とリオ組はリオ組のテーブルになったりはしていましたけど、若い選手が積極的に上の世代のテーブルに来てくれたりして、すごく面白かったですよ」


―10月、11月の代表合宿ではロシアW杯で主力を担った海外組も招集されそうですが、今回の結果はチームにどんな効果をもたらすと思いますか?
「間違いなく良い刺激になったと思います。各ポジションで競争意識が芽生えることでチーム力もグッと上がりますし、良い相乗効果が生まれるはずです。若い選手はその椅子を取るために必死だろうし、今まで代表チームにいた選手も簡単に席を譲るつもりはない。そういう意味では次の招集であったり、今後の代表チームというのはすごく面白くなると思います」

―今回招集されなかった海外組の選手から新しい代表チームについて何か聞かれましたか?
「合宿中はすごかったですよ、みんな。『合宿、どう?』とか、『だれがいい?』とか、いろんな連絡が来ました」

―やっぱり気になるものなんですね。
「それは気になりますよ。同じポジションの選手がいたら特にそうでしょうね。(吉田)麻也は全体的な部分で『どうだった?』という感じでしたけど、原口(元気)にしろ乾(貴士)にしろ、ワイドのアタッカーは同じポジションに良い選手がいっぱいいたので気になったんじゃないですかね(笑)。サッカーに詳しくない地元の定食屋の店員さんにも『代表チーム、楽しいね。面白いね』と言われましたからね。自分が思っていた以上に、森保ジャパン初陣の反響は大きかったですよ」

(取材・文 西山紘平)

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