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[MOM560]専修大MF葛谷将平(4年)_“右の葛谷”の4年ぶりFK弾

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直接FKを決めて勝ち点1を手繰り寄せたMF葛谷将平

[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[10.7 関東大学L1部第15節 専修大3-3国士舘大 東京国際大G]

 負け試合だった。前半を2点リードで折り返した専修大だったが、後半に入るとまさかの3失点。残り15分で逆転を許してしまった。

 そんな負の空気を一掃したのが、MF葛谷将平(4年=大津高)の右足だった。後半38分、ゴール正面でFKを獲得すると、スポットには葛谷とともにヴァンフォーレ甲府への入団が内定しているDF小林岩魚(4年=甲府U-18)が立った。しかし決定権があるという葛谷が蹴る。壁を越えたボールはゴール左隅に飛ぶと、GKの手を弾いてゴールネットに収まった。

「練習はしてきたので、落ち着いて蹴ることが出来ました。(蹴る瞬間は)無心と言うか、何も考えずやりました。蹴った瞬間に入った感じがありました」

 直接FKを決めたのは、大津高3年だった高校選手権熊本県予選の初戦以来で、自身4年ぶりだという。この日の得点よりも右寄りの位置で決めたもので、利き足とは逆の左足で決めたものだった。それ以降は「ゴール前でのチャンスがなかなかなかった」ということで、FKでの得点はなかったが、ここ一番で高い集中力を発揮し、チームを救うゴールを奪ってみせた。

 東京都出身の葛谷だが、より高いレベルでサッカーを続ける環境をと、熊本県の大津高に越境入学。「プロ入り」を強く意識し、サッカーを続けてきた。しかし関東の名門、専修大での4年を終えようとしている今でも、具体的なプロ入りの話はない。「サッカーを続けたい」。今季の専修大の大きな武器である“小林の左”と“葛谷の右”。仲間であり、良きライバルでもある小林は一足先に夢をかなえているが、負けているつもりもない。葛谷の夢に向けたアピールはまだまだ続く。

(取材・文 児玉幸洋)
●第92回関東大学L特集

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