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インハイ支部予選敗退の悔しさが力に。創価が188cmFW大竹2発でまずは都1勝

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前半33分、創価高FW大竹悠太(右)がこの日2点目のゴール

[10.13 選手権東京都Bブロック予選1回戦 創価高 2-0 城東高 駒沢2]

 13日、第97回全国高校サッカー選手権東京都Bブロック予選1回戦で創価高が城東高に2-0で快勝。創価は21日の2回戦で大森学園高と戦う。

 インターハイ支部予選敗退の悔しさが、チームを変えた。創価は今年のインターハイ予選で8大会ぶりとなる支部予選敗退。都大会まで進むことができなかった。だが、金子翔一監督が「マジメで一生懸命な子が多い。彼らの人柄が伸びるきっかけになっている」というチームは、悔しさをエネルギーに変えて努力を続け、選手権予選でまず都1勝を果たした。

「自分はシュートが武器。自分が打つシュートは全部決めるという気持ちでやっています」という10番MF小野鈴音(3年)や身長188cmの大型FW大竹悠太(3年)ら個の力もあるチームは、8月の選手権の地区予選を突破すると、この日は都立の強豪・城東と対戦。今年、関東大会予選で実践学園高を沈めて16強入りし、インターハイ予選でも20校による2次予選進出を果たしている城東は難敵だったが、創価は自分たちの持ち味を発揮し、2回戦へ駒を進めた。

 前からアグレッシブな攻守を見せる創価は、前半6分に小野がポスト直撃の左足シュート。前線の大竹と小野に加え、いずれもスピードのある右FW酒井隆(2年)、左FW橋本光明(3年)の両ワイドも活用して攻めると、32分に先制点を奪った。右スローインを受けた酒井がコーナー付近からロングクロス。これを大竹が頭でゴールに叩き込んだ。

 畳み掛ける創価はさらに33分、今度は左サイドから縦に仕掛けた橋本がライナー性のクロスボール。これを大竹が1タッチでゴールへ突き刺してリードを広げた。一方、個々のスキル高い城東は、爆発的なスピードを持つ左MF江田風太(3年)やキープ力高いMF清水大志(3年)を中心に反撃。相手のプレッシャーが緩ければDF青山和誠(3年)も中央突破から攻撃に絡んでいく。

 後半、城東はさらに押し込む時間を増やしてDFラインの背後を狙っていたが、創価は守備範囲広い新潟U-15出身GK笠原豪介(3年)や川崎F U-15出身のCB鈴木康平(1年)、好カバーリングを見せていたCB関根勇二(3年)を中心に守り続ける。後半半ばからは交代出場のDF日諸龍太主将(3年)も最終ラインに加わり、集中した守備を披露。最後まで得点を与えずに勝ち切った。

 創価は寮がある関係で北海道や西日本からも選手が入学してきている。中学時代に実績を残した選手はわずか。それでも、金子監督によると、選手たちは3年間かけた体作りで約10kg増量するなど肉体、技術も成長。鍛えられたフィジカル面の強さとDF力の強さ、そして指揮官が「面白いものがある」と語る攻撃も備えたチームになっている。

 その創価の志は高い。大竹は「東京都制覇、日本一を実現するという目標がある。まずBブロックを制して全国大会に出たい」と語り、小野も「インターハイの負けがあったからこそ、そういう経験もして同じミスをしないとやってきた。この大会では東京都制覇、日本一を実現するということをチームの目標として、個人としては必ず1試合1点は決めるということを目標にしてやっていきたいです」と力を込めた。最後まで集中し、「全員蹴球」を貫いて勝利したこの日のように、一戦一戦全員で戦い抜く。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校選手権2018

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