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國學院久我山高の後輩が明かす、長崎MF名倉巧の高校時代と“ハンパない”一面

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國學院久我山高時代(左)とV・ファーレン長崎のMF名倉巧

 今年のJリーグは例年以上に10代~20歳の選手の活躍が光っています。ゲキサカではプロ1、2年目選手の高校時代を知る後輩たち(現役高校生プレーヤー)に対して、現在プロで活躍するヤングプレーヤーの高校時代についてインタビュー。彼らのピッチ内、ピッチ外で“ハンパなかった”一面や意外な一面とは?

 第16回はV・ファーレン長崎のMF名倉巧選手です。高卒1年目の昨年はFC琉球に所属。J3で22試合出場4得点を記録し、J1に昇格した長崎へステップアップしました。そして今年は、J1デビュー。ルヴァンカップではグループステージの全6試合に先発し、神戸戦でゴールも記録しています。

 その名倉選手は國學院久我山高(東京)2年時の全国高校選手権で大ブレイク。トラップ、ターン、ドリブル、スルーパスなど卓越した技術、判断力を駆使して会場を沸かせ、チームを全国準優勝へ導きました。そして、日本高校選抜候補にも選出。3年時は全国出場こそ叶わなかったものの、主将としてチームを牽引した先輩の高校時代について、左SB竹浪良威主将(3年)とエースFW宮本稜大選手(3年)、そして14番を受け継ぐ司令塔・MF高橋黎(3年)が教えてくれた。(紹介してくれた3人の写真はコチラ)

―高校時代の名倉選手の印象は?
竹浪:「言葉とか声で盛り上げる感じじゃないんですけれども、ストイックというか、一つ一つのプレーにめっちゃ集中しているという感じでした。でも、オフ・ザ・ピッチでは結構抜けているというか、後輩からからかわれたりしていたんですけれども、試合やサッカーになると目の色が変わって集中していました」
宮本:「名倉くんはピッチの中では本当に頼れる先輩。あまり声で引っ張るとかそういうタイプではなくて、背中で引っ張るタイプでのキャプテンでした」
高橋:「名倉くんは自分が1年生の時に3年生だったんですけれども、ボール渡せば絶対に取られないし、いて欲しいところにいてくれる。『お手本中のお手本』みたいな感じでした。ボールの置き方も上手いですし、しかもプレーじゃないところも笑顔で話かけてくれる。『名倉くん、優しいな』と思って(微笑)。名倉君がトップ下にいればやりやすいんだろうなと思っています」

―身体的に恵まれている訳ではないけれど、J1で出場機会を得たり、プロの世界で活躍している。
高橋:「さすがだなと思っています。やっぱり、プロでも苦しむ選手がいるじゃないですか。でも、久我山で習っている身体の使い方とかを実践していると(國學院久我山の)三栖フィジカルコーチも言われていました。名倉くんのプレーで、プロでも活躍できているので凄いと思っています」

―彼の「ハンパなかった」ところは?
竹浪:「テクニックだと思います。ターン。一回も取れたことがないんじゃないか、と思うくらいにターンが上手かったです」

―ピッチ外では話しやすかったという。
宮本:「ピッチの外に出ると凄く優しかったです。凄い気さくに話してくれていましたし、近寄るなみたいなオーラは一切出さないでくれていて、名倉くんだけでなくて、名倉くんの代がそういう雰囲気だった。ちょっと怖い先輩もいましたけれども、みんな優しくて、特に名倉くんは絡みやすかったです」

―竹浪くんは同じキャプテン。
竹浪:「ナグくんはプレーで引っ張るタイプだと思うんですけれども、自分も声だけじゃなくてプレーで引っ張りたいなと思っていますし、沸かせるようなことはできないかもしれないですけれども、プレーでチームを引っ張っていけるような選手になりたいです」

―今年のチームに名倉2世はいる?
竹浪:「ターンが上手いのは1年生の大窟陽平。2年だと山本献とかターンやテクニックとか上手いですね」
高橋:「大窟です。マジでちょっと名倉くんに似ていて、ターン上手くて出したら前向いてくれるし、ゲームの流れも読める選手です」

―高橋くんは同じ14番を背負う。
高橋:「この頃あまりプレーが良くない。14番背負っている責任の無いプレーをしているので、練習から気を引き締めてコイツに14番持たせて良かったなと監督に思ってもらえるように、恩返しできるように、選手権でいいプレーをしたいと思っています」

―久我山は今年、彼が2年の時以来の選手権に挑戦する。
宮本:「(2年前、)3年生が負けた選手権の時に、みんなが自分たちに思いを託してくれて、でもそれを去年は果たせなかった。2年の時も去年の先輩に託されている部分があるので、この2年間の先輩の思いを汲んで、その思いとともに自分たちは戦わないといけないという責任を感じています」
竹浪:「この2年間勝てなかったからこそ、3年の思いが強い。ここでやって、やらないと終わってしまうという思いがあるので、後悔したくないですね」

(取材・文 吉田太郎)

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