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“Nの真意”相馬勇紀が示すのは感謝、愛…「名古屋が大好き」

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涙を流しながらあいさつを行うMF相馬勇紀

[11.10 関東大学L1部第20節 早稲田大2-1東京国際大 フクアリ]

 MF相馬勇紀(4年=三菱養和SCユース)は、この日も最後まで走り抜いた。6日に特別指定選手として参加する名古屋グランパスで初先発初ゴールを記録。フル出場でチームを勝利に導くと、中3日で迎えた早稲田大でのリーグ戦でも前半35分に同点弾。逆転勝利へのきっかけを作ると、フル出場でチームに歓喜を呼び込んだ。

 得点後、何やら地面を叩くようなしぐさをみせた。しかし相馬によると、文字を書いていたのだという。「ありがとう」、と――。

 6日のC大阪戦、後半8分にヘディングで得点した相馬は、両手で「N」の文字を作り、喜びを表した。“名古屋のN”。名古屋への愛、感謝を示したつもりだったが、中継でも大きく映されたことで、ネット上では「彼女のイニシャルじゃないか?」といった憶測まで生んだ。

 ただ相馬はこの「N」の真意について、「まだ特別指定ですけど、僕は名古屋が大好き。名古屋に関わる全員に感謝を示すために、何かパフォーマンスをしたいという純粋な思いで作りました」と説明。“騒動”になったことについても「あそこまで大きくなっちゃうのも、それほど自分が選手として認められてきたり、注目され始めたんだということ」と前向きに捉えた。

 この日のパフォーマンスで見せた「ありがとう」にあったように、感謝を持ちながらこれからもプレーしていきたいという。「この間のC大阪戦で言えば、中1日なのに体を整えてくれるメディカルの方だったり、自分のために映像を作ってくれるコーチングスタッフがいた。平日でナイターでアウェーにも関わらず、たくさんの応援が来てくれて、ああやって勝てて、勝利を分かち合えた」。事あるごとに「僕は問題児」と話し続ける泣き虫くん。ただそんな21歳にとって、今季は大人への階段を上るための重要な1年にもなっている。

(取材・文 児玉幸洋)
●第92回関東大学L特集

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