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[MOM2710]青森山田MF天笠泰輝(3年)_精度向上意識して変化。存在感増したボランチ

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青森山田高の中盤で存在感あるプレーを見せたMF天笠泰輝

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[11.15 選手権青森県予選準決勝 青森山田高 9-0 十和田工高 青森県総合運動公園陸上競技場]

 9選手が各1ゴールずつ決めた青森山田高の中、先発したフィールドプレーヤーで無得点に終わった2選手のうちの一人だった。それでも、最も多くボールに絡んでいたMF天笠泰輝(3年)が、その攻撃に厚みを持たせていたことは間違いない。

 チャレンジするパスを除くと、ボールをほとんど失わずにゲームメーク。プレッシャーを苦にすることなくボールを収め、少ないタッチでスピードのあるパスを左右、縦へとつけて攻撃の中心になり続けていた。加えて、1ボランチを務める天笠は相手のカウンターを一人でストップするシーンも。中央だけでなく、果敢に攻め上がる両SBの背後のスペースをケアして被シュートゼロでの完封勝利に貢献した。

 シーズン当初はチームのためになるプレーをすることができず、悩んでいた時期もあったという。だが、「(黒田剛)監督や正木(昌宣コーチ)さんにアドバイスをもらって、それを実践していくうちに、だんだん中心となってボールにかかわることが多くなってきた。自分、ボールを獲られる回数が多くてそこを絶対になくさないとチームの中心になっていけないと思っていたので、まず絶対にボールを取られないことを意識しています」というMFは、プレーの質を高めることにこだわり、ピッチでの存在感を増してきている。

 その天笠については黒田監督が「天笠でほとんどボールが落ち着く」と語り、正木コーチも「安定してボールを動かしている。カウンターも止めてくれるし、攻守に渡って役割を発揮してくれている」と認めていた。本人も今、自分のプレーが良ければチームも良くなると自覚してプレー。天笠はミスをしないこと、そして自信を持っている1対1の守備や球際の強さを出してチームに貢献するつもりでいる。

 ダイナミックな動きも強みとするボランチの目標は全国制覇。2年前に2冠を果たしたチームの中心だったMF住永翔(現明治大)や昨年の10番MF郷家友太(現神戸)のプレーを思い出しながら、それに近づけるように努力を続け、チームの中心選手の一人として日本一を勝ち取る。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校選手権2018

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