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渋滞余波でアップも不十分…麻也「ピッチに出ずに試合をするのは初めて」

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空中戦で競り合うDF吉田麻也

[11.16 キリンチャレンジカップ 日本1-1ベネズエラ 大分]

 相手も同じ条件だったとはいえ、いつもどおりとはいかなかった。大分市内のホテルからチームバスでスタジアムに向かった日本代表だったが、渋滞に巻き込まれ、スタジアムへの到着が約50分遅れた。本来であればキックオフ1時間半前の午後6時にはスタジアムに到着し、午後6時40分ごろからウォーミングアップを開始するはずが、スタジアムに着いたのが午後6時49分。フィールド選手の先発組はピッチでのウォーミングアップを取りやめ、室内練習場でアップし、キックオフに臨んだ。

「ピッチに出ずに試合をするのは初めて」と話したのはキャプテンのDF吉田麻也だ。DF酒井宏樹も「前半はきつかった。中でアップするのと外でアップするのとでは空気も違う」と認め、MF柴崎岳は「入り方としてはいつもと違うというか、アップも十分にできなかった。ちょっと違う感じがあったけど、徐々に尻上がりに良くなっていった」と振り返る。

 MF中島翔哉は「ポルトとの試合でもこういうことがあった。個人的にはそういうのはあまり気にしない」と明かし、「こういうことも楽しみの一つ。こういう経験ができたことは良かった」と前向きに捉えた。MF堂安律も「ボールは室内でちょっと触るだけだったけど、自分としては問題なかった」と強調。チームとしてもこうした経験を財産としていくことが大事になる。

 渋滞で進まないバスの中で森保一監督は「こういう状況もある」と選手に呼びかけ、チームを落ち着かせたという。吉田は「アジアカップもしくはアジア予選が始まると、アウェーでこういうアクシデントは起こり得る」と指摘。「(アジアの戦いでは)明らかに自分たちに不利に働くこともある。それがアジアの難しさの一つだし、いい勉強になった」とキャプテンは言った。今後、アジアの戦いで同じようなシチュエーションに見舞われないとは限らない。ウォーミングアップが不十分だったことの影響について酒井は「言い訳になるし、口にしたら選手として格好悪い。それでも勝つチームになっていかないといけない」と力説した。

(取材・文 西山紘平)

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