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ライバル対決制す!強敵・柳ヶ浦を撃破した大分が2年ぶりの全国切符を掴み取る:大分

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大分高が全国へ

[11.18 選手権大分県予選決勝 大分高3-2柳ヶ浦高 大銀ド]

 第97回全国高校サッカー選手権大分県予選決勝は18日、大分銀行ドームで行われ、大分高が3-2で柳ヶ浦高に勝利し、2年ぶり10回目の全国大会を決めた。

 大会前から優勝候補の下馬評が高かった両校。大分は2年ぶり、柳ヶ浦は13年ぶりの決勝進出を果たした。実力の拮抗した両校の戦いは立ち上がりから激しいものとなった。

 フィジカルの強さが光るFW芝崎翼(2年)、今大会10得点とゴールを量産中のMFキム・チョンニョン(3年)といった、前線にタレントをそろえた柳ヶ浦の圧力に対し、大分は県下ナンバーワンの呼び声高いMF山口卓己(3年)を中心とした得意のパスワークで相手の攻めを分散しつつ、サイドからの展開で柳ヶ浦ゴールに迫った。

 最初のチャンスを迎えたのは柳ヶ浦。前半8分、右サイドでボールをカットしたDF諸富博哉(3年)がファーへクロス。フリーとなったキムがゴールを狙うも枠を外れる。そしてその直後に試合は動いた。

 前半9分、大分はFW谷川海翔(3年)からのワンタッチパスを受けたFW菊地孔明(2年)がサイドを突破し中央にパスを送る。FW工藤元太(3年)が競ったこぼれ球を、MF永松恭聖(2年)が落ち着いて決めて先制。大分がゲームの主導権を握った。

 波に乗る大分はサイド攻撃の手を緩めず、DF荻本翔(3年)の積極的なオーバーラップから再三のチャンスを迎えるが、柳ヶ浦もDF上田一成(3年)を中心とした決死の守りで追加点を許さない。

 守備で粘りを見せていた柳ヶ浦が大きなチャンスを迎えたのは前半37分だった。GK大塚宗一郎(2年)のゴールキックを、FWジン・ソル(3年)が競り合ってこぼれたボールを芝崎が拾い、スピードに乗ったドリブルで前進。思い切りよく振り抜いたシュートが大分GK野仲龍斗(3年)の右手をかすめゴールに吸い込まれた。前半終了間際の貴重な同点弾に会場のボルテージは一気に高まった。

 同点に追いついた柳ヶ浦の勢いは後半に入っても衰えず、後半早々に左サイドを突破したキムのクロスに、逆サイドで反応したMF大村幹太(2年)が左足で狙うがゴールならず。後半4分には、右サイドで起点となった芝崎のクロスにキムが強烈なシュートを放つが、大分GK野中のビッグセーブでチャンスを逃した。

 この大分守備陣の踏ん張りに攻撃陣が応える。後半8分、DF佐藤芳紀(2年)のロングフィードに谷川が反応。前線で粘って起点を作り、そのこぼれ球を「迷うことなく蹴った」という菊地が思い切りよく蹴り込み、大分が1点をリードした。

 反撃に出たい柳ヶ浦に対して、やや守備的なポジショニングを取った大分の山口、MF重見柾斗(2年)らが要所で相手ボールをカットしてピンチの芽を摘んでいく。そして後半36分、大分は谷川のポストプレーから、左サイドでボールを受けた途中出場のMF三代賢司(3年)がタメを作り、走りこんできた荻本にパス。荻本はワンフェイクの切り返しからニアサイドへ強烈なシュートを放ち、全国をたぐり寄せる貴重な追加点を奪った。

 2点のビハインドに苦しくなった柳ヶ浦。終了間際、個人技で抜け出したキムが自身大会11点目となるゴールを奪って意地を見せたが、その直後に終了のホイッスルが鳴り試合終了。3-2で大分が全国大会出場を決めた。

 就任2年目で2年ぶりの選手権出場を決めた小野正和監督は、感涙にむせびながら「最後の失点の部分を取り上げてもまだまだ修正しなければ全国へは通用しない。一つでも多く勝てるよう準備をしたい」とその先の舞台への思いを語った。

 主将の山口を中心に、経験豊富な3年生と、奔放なプレーを見せる才能豊かな2年生が融合した今年の大分。前回出場時は、2回戦で滝川二高(兵庫)に0-6の大敗。不完全燃焼だった2年前のリベンジを果たすべく、パスサッカーに磨きをかけた大分が全国で旋風を巻き起こす。

(取材・文 安倍令文)
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