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[MOM2725]大分MF山口卓己(3年)_ピッチ全体を俯瞰する主将。大分の誇る静かなるゲームメーカー

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頼れる主将MF山口卓己

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[11.18 選手権大分県予選決勝 大分高3-2柳ヶ浦高 大銀ド]

 ピッチ全体をカバーする運動量、時には攻撃的にチャンスを作り出し、そして体を張った守りでチームを鼓舞する大分高の頼れる主将MF山口卓己(3年)。164cm、54kgと小柄ながら、抜群のセンスで大分の攻撃的なパスサッカーの起点となる。

 吸い付くようなトラップ、機を見て攻め上がるスピード豊かなドリブル。そんな卓越した技術もさることながら、試合の流れを冷静に読み、的確な判断で流れをコントロールする巧者ぶりは、この決勝でも十分に発揮された。

 試合開始当初は高めのポジションで攻撃的にプレーしながらも、1点リードの展開の中で柳ヶ浦高の圧力が高まってくるとポジションを守備的にチェンジし、下がり目の位置で攻撃の芽をことごとく摘んでいった。「柳ヶ浦とはもう何度も戦っているので、相手の攻撃面でのプレッシャーにどう対応するかは常に考えていた」と主将は淡々と語る。

 チームの点取り屋で山口とのホットラインを形成するFW工藤元太(3年)は「あいつ(山口)は何をやらせても巧い。卓からのパスで僕らFWがどんどん得点したい」とその信頼も絶大だ。「彼のプレーには特に注文はありません。全てのプレーが精度が高く、チームの絶対的存在」と小野正和監督も全幅の信頼を寄せる。

 長崎の大村市出身で中学から大分にやってきた。高校1年からレギュラーを勝ち取り、2年前の全国大会へも出場したが、2回戦で滝川二高(兵庫)に大敗を喫した。「あの時は3年生に連れて行ってもらっただけ。先輩に助けられ自由にプレーしていたが、今度は僕がしっかりとチームをまとめていきたい」と主将としての責任感を十分に認識している。

 全国切符を手に入れた後に見るのは、晴れの全国の舞台で躍動するチームの姿。その中心にいるのは間違いなく山口だ。「監督を始め、チーム全体が一つになれたこその勝利。この勢いを全国につなげて上位進出を目指したい」と意気込む。

 不完全燃焼に終わった2年前の雪辱を果たすため、大分の中心選手としての矜持を持って大舞台へと臨む。

(取材・文 安倍令文)
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