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中2の時に胸打たれた「スゲェ」チームの主将として選手権へ…流経大柏FW左部「絶対に日本一に」

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流通経済大柏の左部開斗主将(写真協力『高校サッカー年鑑』)

 昨日行われた、流通経済大柏高と市立船橋高による千葉県予選決勝戦。6年連続同カードとなったファイナルを制し、“激戦区千葉”を突破したのは流通経済大柏だった。選手権優勝1回、総体優勝2回を誇る強豪をもってしても、2年連続出場は初の快挙だ。

「大勢の人が応援してくれる中でやれるのは、緊張もしたんですけど楽しめました」。先発したFW左部開斗(3年)は、自身「初めて」という1万人以上の大観衆の中での決勝を振り返った。流通経済大柏が市立船橋を無失点で破ったのは、2010年度以来8年ぶり。「(準決勝が終わって)1週間かけてイチフナ戦に向けてやってきました。速いプレスを表現できたと思っています」。左部は会心の勝利に胸を張った。

 昨季総体で優勝を飾った流通経済大柏だが、ディフェンディングチャンピオンとして臨んだ今夏の総体ではまさかの千葉県予選敗退。「全員が悔しい思いをして、そこで奮起して、チームとして何が必要で、何をやらなければいけないのか再確認しました」(左部)。チームに変化が起きようとしている頃、左部個人にもある変化があった。「インターハイ予選で(キャプテンの関川)郁万が怪我をして。長期離脱しているならチームにあまり関われないからということで、キャプテンが変わることになって。(本田裕一郎)監督からは『走れるやつ、元気があって声を出せるやつ』ということで候補になりました」。

 突然のキャプテン就任に、「生まれてこの方一度もやったことなくて」という驚きと同時に、重圧を感じたという。それは昨季のチームをまとめあげたMF宮本優太(流通経済大学)の背中を見てきたからだ。「優太くんは相当経験をつんでキャプテンという立場になって、自分は全国の舞台を経験せずにキャプテンをやっているので、プレッシャーはありました」。それでも流通経済大柏は、総体での悔しさを跳ね除け、選手権の舞台にたどりついた。

 過去5回の選手権出場でベスト4以上4回と驚異的な成績を残している流通経済大柏。左部にとって記憶に残っているというのは、小川諒也(FC東京)らを擁して4強入りした2014年度だ。当時中学2年生、東急SレイエスFCに所属していた左部は、関東リーグ参入戦に向かうバスの中で流通経済大柏と前橋育英の準決勝を見ていた。「当時、流経も(進学先の)候補になっていましたけど、明確には決まっていませんでした。試合を見て『スゲェなこのチーム』と思いました」。中学生の時の自分の胸を動かしたチームの一員として選手権に挑む左部は、「千葉県の代表として千葉県のチームの想いも背負っていますし、去年の借りを返さないといけない。絶対に日本一になりたいです」と選手権制覇を見据えた。

(取材・文 奥山典幸)
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