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10人の東京V、セットプレーで大宮撃破!! 11年ぶりJ1昇格へプレーオフあと2勝

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東京ヴェルディDF平智広(背番号5)が起死回生の決勝ゴール

[11.25 J1参入プレーオフ1回戦 大宮0-1東京V NACK]

 J1参入プレーオフは25日、NACK5スタジアム大宮で1回戦を行い、J2リーグ戦5位の大宮アルディージャと同6位の東京ヴェルディが対戦した。後半途中に数的不利となった東京Vがセットプレーで先制し、10人のままリードを守り切って1-0で勝利。11年ぶりのJ1昇格に向け、12月2日の2回戦では横浜FCと敵地で対戦する。

 1回戦、2回戦、決定戦の3段階で行われるJ1参入プレーオフは今季スタートした制度。1回戦ではJ2リーグの3位と6位、4位と5位がそれぞれ対戦し、勝者同士が2回戦に進出。2回戦の勝者が決定戦に進み、J1リーグの16位と対戦し、ここでの勝者が来季のJ1リーグに参戦する仕組みだ。なお、90分間を同点で終えた場合は上位チームの勝ち抜けが決まる。

 しかし、今季はJ1クラブライセンスを持たないFC町田ゼルビアが4位に入ったため、J1参入プレーオフ参加権を持つJ2クラブが3つだけとなった。これにより、3位の横浜FCが2回戦へのシード権を獲得。1回戦は大宮対東京Vの1試合だけとなった。この試合の勝者が横浜FCとの2回戦を戦い、12月1日に決まるJ1リーグ16位と決定戦で戦う。

 ホームの大宮はJ2第42節の岡山戦(◯1-0)から先発1人を変更。警告2枚で退場したMF嶋田慎太郎に代わって出場停止明けのFWマテウスが入った。対する東京Vも第42節の町田戦(△1-1)から1人を入れ替えた。FWアラン・ピニェイロがベンチスタートとなり、FW佐藤優平が先発に名を連ねた。[スタメン&布陣はコチラ]

 序盤の主導権を握ったのは15日に亡くなった故・藤川孝幸氏を悼んで喪章を着けて戦う東京V。ボランチのMF井上潮音が積極的にボールに関わり、敵陣でプレーする時間帯が続いた。前半16分、右サイドの競り合いで大宮DF酒井宣福が佐藤を倒してプレーが中断されると、同18分には東京VのMF内田達也がMF三門雄大へのファウルで警告が出されるなど、激しい球際のバトルも見られた。

 前半20分過ぎからは東京Vの右サイド攻撃が猛威を振るう。右のハーフスペースを突くMF渡辺皓太が鋭いシュートで相手守備陣に脅威を与えると、レギュラーシーズン全42試合出場のFW奈良輪雄太が右サイドを立て続けに突破。同25分には佐藤が惜しいミドルシュートを放った。一方の大宮はFW大前元紀とマテウスの2トップになかなか良い形でボールが入らない。

 大宮は前半30分過ぎ、大前のセットプレーで立て続けにゴールに迫り、DF畑尾大翔の連続シュートやマテウスを使ったトリックプレーを見せた。その後はマテウスを左サイドハーフに下げ、MF茨田陽生を右サイドに回し、MF富山貴光を2トップの一角に変更。このポジションチェンジが奏功し、前半の終了間際は一気に主導権を握り返すと、ハーフタイムをスコアレスのまま迎えた。

 だが、キックオフ後の立ち上がりも東京Vペース。後半3分、内田のミドルシュートは大きく枠を外れたが、その後も冷静さを欠く大宮守備陣に対し、人数をかけた攻撃でプレッシャーをかける。ところが同14分、自陣でプレスバックした内田がマテウスを倒し、一時は大宮側のアドバンテージでプレーは流されたが、プレーが切れた後、内田に2回目の警告とレッドカードが提示された。

 1人少ない東京Vだが後半18分、DF香川勇気のクロスから左CKを獲得。直後、渡辺を下げてMF李栄直を投入した。同19分、佐藤の左CKはニアサイドで香川が合わせたが、ヘディングシュートは惜しくも枠を外れた。同25分には、左サイドで突破を試みた香川が酒井に倒されてFKを獲得すると、奈良輪に代わってFWレアンドロを投入した。

 すると後半26分、このセットプレーから試合の均衡が破られた。東京Vは再三良いボールを蹴り込んでいた佐藤が低いボールをゴール前に送り込むと、DF平智広がハイジャンプでバックヘッド。うまく軌道が変わったボールはファーサイドネットに吸い込まれ、10人の東京Vが先制に成功した。

 1点を取られれば再びピンチとなる東京Vは後半27分、前線で起点となっていたFW林陵平を下げてDF若狭大志を入れ、守備陣の人数を増やす。対する大宮は1点を取らなければ1年でのJ1復帰の目標が絶たれるという中、同31分に富山に代わってMF奥抜侃志、同36分にはFWロビン・シモヴィッチとMF横谷繁を同時に入れた。

 最終盤は大宮の一方的な展開となり、東京Vのゴール前に容赦なく鋭いフィードが降り注ぐ。だが、DF井林章を中心とした守備陣が身体を張って守り、強力な相手アタッカーを自由にさせない。アディショナルタイムは6分も、試合は動かずタイムアップ。昨季J1リーグ18位でJ2に降格し、1年での復帰を目指した大宮だったが、来季のJ2残留が決まった。

(取材・文 竹内達也)

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