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[MOM591]駒澤大MF坂本和雅(4年)_人生初の“本気”、サッカー人生集大成に燃える

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MF坂本和雅が大学初のマルチゴールで勝利に導いた

[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ supported by KIRIN]
[12.17 インカレ準々決勝 筑波大1-2駒澤大 柏の葉]

 駒澤大(関東4)が筑波大(関東2)を2-1で破った。後半21分にMF坂本和雅(4年=聖和学園高)が右クロスを合わせて先制点を決めると、同点とされた直後の同32分には再び坂本がゴールネットを揺らす。

 得意の左足で奪った大学初のマルチゴール。背番号14は「自分が取ったというより、みんなで奪った得点」と笑顔を弾けさせた。

 坂本にとって、柏の葉公園総合競技場は相性の良い場所だった。4年前の全国高校選手権、ドリブル軍団聖和学園の高速レフティーとして注目を集めた坂本は、柏の葉で戦った秀岳館高との1回戦でハットトリックを記録。同年のプリンスリーグ東北で得点王を獲得した実力を存分に発揮した。

 そしてこの日の2ゴール。4年前も今大会同様に初戦で4-1。ただし2戦目は0-3で落としていたことで、「今回もヤバいかも」という気持ちがあったというが、自らの活躍でそんな不安に打ち勝った。

 サッカー人生は今大会を最後にピリオドを打つ。勝負の年と位置付けていた昨年、5月の練習中に右足前十字靭帯を断裂。9か月ほどのリハビリを余儀なくされた。そして復帰後に行ったトルコ遠征で、海外の選手を相手に実力が通用しなかったことで、決心した。「もともとサッカーに情熱をかけているようなタイプではなかった」と未練もないという。

 決心がつくと、行動も早かった。6月に就職活動を始めたが、1か月後、最初に受けた企業である人材紹介などを行うキャリアデザインセンターから内定通知をもらった。「すぐ決めて、サッカーに集中しようと思った」。残りのサッカー人生を楽しむことだけに切り替えた坂本は、関東リーグ戦で5得点を決める活躍。母校を8年ぶりのインカレ出場へと導いた。

 埼玉県出身の坂本。仙台で高校生活を送るために初めて親元を離れが、「寮生活がとても嫌だった」。そのため、大学は実家から通えるところという条件で探し、高校の監督の紹介で駒大に進学することになった。その甲斐もあり、大学生活は「エンジョイしました!」と言い切れるほど、充実したものになったという。

 男ばかり3兄弟の末っ子で、言動からも伺える奔放な性格の持ち主だが、今大会はサッカー人生最後という思いがやはり強く、目の色を変えているのは誰が見ても明らか。秋田浩一監督も愛弟子の変化に「ディフェンスを頑張っていた。こんなこと初めて。駒大の選手らしくなった」と目じりを下げずにはいられない様子。

 坂本自身も自覚は十分にあり、「人生で初めて気持ちを込めてやっているという感じ」。これが本当の実力。今の坂本の目にはサッカー人生を有終の美で飾ることしか見えていない。

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(取材・文 児玉幸洋)

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