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三菱養和の190cmFW栗原イブラヒムジュニアはブレずに「高校年代ではどうしようもならないくらい」のレベルへ

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三菱養和SCユースの190cmFW栗原イブラヒムジュニアは来季、「高校年代ではどうしようもならない」レベルへの成長を目指す

[12.9 高円宮杯プリンスリーグ関東第18節 三菱養和SCユース 1-1 桐光学園高 三菱養和会 巣鴨スポーツセンターG]

 三菱養和SCユースの190cmFW栗原イブラヒムジュニア(2年)が来季へ向けて「注目させるプレー」、そして“2段階くらい”のレベルアップを誓った。栗原は今年、U-17日本代表として国際ユースin新潟に出場。攻撃の組み立ての部分などで力を発揮し、ゴールも演出。そのFWは、この日も桐光学園高の強力CBコンビ相手によくボールを収め、PAで抜群の高さを発揮していた。
 
 浮き球を弾ませること無く胸でコントロールし、落ち際をダイレクトでサイドへ叩いたシーンでは会場からどよめきの声も。「苦しい時間帯もある中で自分がああやってボールを収めないと流れを持って来れない」という栗原は、桐光学園から流れを引き寄せる要因を作り出していた。

 ただし、「最低限はあそこ(ボールを収める、競り勝つ)のプレーで、もっと言えばゴール前での仕事ができればもっと良かったと思います」と加える。180cmFW竹内駿斗(2年)とともに前線で攻撃の起点となり、迫力のある動きを見せていたものの、ゴール前ではシュートよりもクロスを折り返すようなシーンの連続。無得点に終わり、「自分の持ち味であるゴールに突っ込むようなヘディングがあれば良かったです」と悔しがっていた。

 今年は“街クラブの雄”三菱養和の前線の柱として、プリンスリーグ関東で2ケタ得点をマーク。チームから求められてきた守備は代表活動もあって意識が大きく向上した。増子亘彦監督はオフ・ザ・ボールの動きなどより高めなければならない部分があることを口にした上で、「サッカーに対する取り組み方などは前向きにやれていると思います。それがプレーにも影響しているし、点も取れている。守備も良くなっていると思います」と頷く。そして、「1年間フルで出たわけですから、次に繋げて欲しい」と期待した。

 注目FWは来年、プロへ駆け上がるための1年となる。21年U-20ワールドカップを目指すU-18日本代表も本格的に始動。「自分に求められているのは競り合いで負けない、ヘディング、ゴール前の迫力、この3つはどのFWにも負けたらいけないと思っているし、これで自分の良さが出せれば(代表チームでも)自分の位置を確保できる」と力を込める。

 年代別日本代表、そしてプロ入りへ向け、注目される存在になることは間違いないだろう。その中で栗原は肩書きだけでなく、自分のプレーと力でより注目されなければならないと考えている。

「そのためにはゴールを決めるしかないし、注目されているだけじゃダメなので、注目させるようなプレーとか、もっと自分に集まるようなプレーを自分から出していけたらいいのかなと思います。プロの世界はそんなに甘くないので、プロになるためというよりも、その先を見据えて身体の部分も、技術の部分ももう2段階くらいレベルアップしたいです」と語った。

 競り合いやヘディング、ゴール前の迫力で勝つことは当然。Jリーグ、その先のステージで活躍するためにはもっともっと違いを生み出す選手にならなければならない。「高校年代ではどうしようもならないみたいに自分では成長したい」。意欲的な“注目”FWは、ユース年代最後の1年へ向けて「自分のためにするのは間違いないんですけれども、来年は3年生の立場でチームを本当に引っ張っていかないといけない。そして、最終的には自分が上に行けるように。チームのためと自分のために、最後までブレないで頑張りたいです」と誓った。目標に少しでも近づくために誰にも負けない日々を過ごす。

(取材・文 吉田太郎)

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