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元Jリーガー指揮官に導かれた日本文理大「不完全燃焼」の初戦敗退

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日本文理大は初戦で姿を消した

[12.12 大学選手権1回戦 北海道教育大岩見沢校3-1日本文理大 BMWス]

 九州リーグを2位で終え、2年ぶりのインカレの舞台に立っていた日本文理大だが、初戦で姿を消すことになった。3失点はすべてゴール前の混戦を押し込まれてのもの。西野晃平監督は「不完全燃焼。戦うという気持ちが見えなかった」と厳しい表情で振り返った。

 西野監督は日本文理大を卒業後、2005年に大分トリニータでプロ生活をスタート。その後、水戸や岡山でもプレーし、2010年に現役を引退。翌年より母校のコーチに就任すると、17年より監督に昇格した。就任2年目で導いた冬の全国の舞台。しかし夏の総理大臣杯に続く初戦突破とはならかなった。

 チーム得点王の大黒柱であるFW東海林佑飛が大会直前に古傷を再発。初戦の欠場を余儀なくされたことも、決定力不足に影響した。「安心感といった小さい影響を与えたかもしれない」。勝っていれば関東王者の早稲田大と対戦できていただけに、「夏(総理大臣杯)は九州の鹿屋体育大が(早稲田大を)破っていたので、そういう意味でも自分たちがどういう戦いが出来るかが楽しみだった。やりたかったですね」と唇を噛む。

 今年は古巣である大分トリニータがJ2で2位に入り、J1への復帰が決定した。現監督の片野坂知宏氏は西野監督が大分に入団する際の強化担当という間柄で、大いに刺激をもらっていたという。「絶好調でしたよね。あやかりたかった」と、大分のチームとして決意を強くしてインカレに臨んでいたが、地元に吉報を届けることは出来なかった。

 それでも今季は強豪ひしめく九州リーグで2位。総失点数は優勝した福岡大と並ぶ最少の17失点と堅実なチームを作り上げた。夢は古巣である大分により良い選手を送り出すこと。「そういうような選手が出てくると、チームとしてもよくなってくるかなと思います」。スタメン11人のうち10人が3年生以下。「チャンスのあるリーグ」と語る九州で力をつけ、また来年度の舞台に帰ってくる。

(取材・文 児玉幸洋)
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