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プロ内定6人擁した筑波大に「一瞬の隙」…駒澤大に“連敗”で散る

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筑波大は8強で姿を消す

[12.17 インカレ準々決勝 筑波大1-2駒澤大 柏の葉]

 場所は同じ柏の葉公園総合競技場で行った関東リーグ戦の最終節、奇しくも前哨戦となっていた一戦を、筑波大(関東2)は0-1で落としていた。一方の駒澤大は筑波大を「一番強い相手」と見込んで、インカレへの自信に繋げていた。MF西澤健太(4年=清水ユース/清水内定)はその時に「勝った時の喜び方を見ていたら、僕たちとの試合にかける思いはすごかったんだなと感じた」という。

「いかにその気持ちを上回るかというところで試合に臨んでいた」

 しかし筑波大は後半21分に先制を許すと、同30分にCKのこぼれ球をFW犬飼翔洋(3年=中京大中京高)が押し込んで同点に追いついたが、喜びもつかの間、同32分に再び勝ち越されてしまう。結果的にまたも勝利への執念で上回られてしまった形。2年ぶりの優勝を目指した大会だったが、8強で終戦。無冠でシーズンの戦いを終えた。

 歯車がかみ合わない1年だった。昨年の関東王者だが、大黒柱のFW中野誠也(現磐田)が卒業。攻撃面に不安を残したままシーズンに突入すると、前期リーグは8位と不調。夏のタイトルである総理大臣杯には、関東予選であるアミノバイタル杯の初戦で敗れ、まさかの本戦出場を逃す結果に終わった。

 それでも後期は持ち直して、一時は優勝も狙える位置まで浮上したが、勝負所だった早稲田大との天王山をスコアレスドローで終えると、それを引きずるかのように、翌節にはV逸を決定させる土壇場での失点によるドロー。最終節では駒大に敗れるなど、失った流れを取り戻せないまま今大会を迎えていた。

 駒大相手の“連敗”。「狙い通りいったところもあったし、しのげていた部分もあったが、一瞬の隙があった」と振り返った小井土正亮監督だが、「力不足。分かっていても止められなかった」と言い訳はせず、きっぱりと完敗を認めた。

 6人がJリーグ入りを内定させることからも分かるように、来季は主力選手が卒業することになる。MF鈴木徳真(4年=前橋育英高/徳島内定)やDF鈴木大誠(4年=星稜高/徳島内定)ら下級生のころから試合出場を重ねてきた選手が多く、チーム作りを一から強いられることになる。

 ただし主力が抜けるからといって、今季序盤のような“失敗”は繰り返してはいけない。小井土監督は「また作り直しだなという感じはしますが、また新しい筑波を作る楽しみもある。いろいろと表現できる選手はいるので、また競争しながら強い筑波を作っていきたい」。

 西澤も「今年は3年生に助けられることも多かった。自信をもってほしいし、彼らが最上級生になることで面白いサッカーが出来ると思う。タイトルを獲れるチームになってほしいなと思います」と期待を寄せていた。

(取材・文 児玉幸洋)
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