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「このままじゃ通用しない」関西学院大MF中野克哉、“力不足”を胸に刻んでJ2京都へ

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無得点に終わった関西学院大MF中野克哉

[12.17 インカレ準々決勝 関西学院大1-3法政大 浦安]

 決定機の数では上回っていたが、ゴールが遠かった。関西学院大MF中野克哉(4年=京都橘高/京都内定)はインカレ準々決勝の法政大戦、果敢なドリブル突破と豪快なオーバーヘッドで見せ場をつくるも無得点。来季のJリーグ挑戦に向けて「チームを勝たせる得点、劇的な得点を取れる選手になりたい」と意気込んだ。

 最大の見せ場は後半18分、左サイドを突破したMF安羅修雅(1年=履正社高)のクロスに合わせたオーバーヘッドキック。タイミングはドンピシャだったがミートせず、思わず「惜しかったー!」という悔しそうな声を響かせた。前半28分には右サイド深くからPA内に切り込む突破も見せた。

 しかし、後半に2点を奪われたチームは1-3で敗れ、背番号10にとっては大学生活最後の試合となった。「全然力不足。もっとチャンスを作らなければいけない。このレベルの相手になると、自分が仕事をしないと勝てないのに、自分の力不足によってこんな形になってしまった」。責任の矢は自らに向けた。

 右サイドでタッグを組んだのは同じくJクラブ内定済みのDF高尾瑠(4年=名古屋U18/G大阪内定)。法政大の守備陣は片方に人数をかけ、警戒の大きさを感じさせた。しかし、その見解は「それは言い訳になる」と否定。「そこを崩していかないと先は見えてこない」と強気な気持ちを貫いた。

 来春からはJ2の京都サンガF.C.に加入予定。「前を向いた時のプレーは自信があるけど、それ以外の球際だったり、守備は高いレベルを突き詰めていかないと通用しない」と自己分析するが、「課題を見つめて、弱い部分から逃げず、頭を使っていかないといけない」と積極的に取り組んでいくつもりだ。

 幸いにも京都には京都橘高出身の先輩、後輩が多く所属している。「プライベートでもお世話になっている」と関係は現在も続いているといい、「そこに関しては心強い。自分を知ってくれている選手がいればプレーは出しやすいし、周りとうまく関わっていけると思う」と心の支えになっているようだ。

 また、京都は新たに中田一三監督が就任し、レギュラー争いもいったんリセット。「先入観がないのはいいことですよね」と最初からアピールしていく構えを見せ、「すでに時間がないので、プロでやれる覚悟、気持ちの切り替え、引退してからの期間でやっていきたい」とこの緊張の糸を途切れさせるつもりはない。

 チーム関係者からは「しかける部分、スプリントの数、もっとやらないと通用しない」と伝えられたといい、「それは自分も感じている」と同意。「もっとうまくなりたいし、もっと点を取りたい。もっと上のレベルでサッカーがしたい」。そんな純粋な向上心も携え、厳しいプロの世界に身を投じる。

(取材・文 竹内達也)

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