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満身創痍の福岡大は2年連続で準々決勝敗退…「4強は特別な何かが必要」

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福岡大は2年連続で準々決勝敗退

[12.17 インカレ準々決勝 大阪体育大1-0福岡大 熊谷]

 九州大学リーグを圧倒的な強さで制した“九州の雄”福岡大。しかし最多出場を誇るインカレの最高成績は準優勝(1998,2009,2012)で、その頂点到達の難しさはどの大学よりも思い知らされている。乾真寛監督は今大会の目標を、昨季8強を超えるベスト4進出としていた。

 初戦・札幌大戦(3-1)は「ある程度力をコントロールできた」福大だが、2回戦は総理大臣杯王者・明治大と対戦。「さすがに全部を出し切らないといけないゲームだった」。2試合連続で同じメンバーを先発させ、総力戦の末に1-0で明大を破る。そして迎えた準々決勝・大阪体育大戦。指揮官はベスト4を目前に、再び同じ先発メンバーに懸けた。

「我々にできるすべてを出して明治に勝ったけど、今日はそのメンバーをそのまま使った。ちょっと厳しかったかなと思っています。結果論ですが、フレッシュなメンバーを先発させたほうが良かったかもしれない」(乾監督)

 迷う指揮官の一方で、FW梅田魁人(3年=高川学園高)は「試合中は疲労を感じることはなく、問題はなかった」と明かす。前半10分には左サイドを力強いドリブルで突破すると、同16分にもPA左に入り込んでゴールに迫った。

 福大の攻撃は堅固な大体大の守備陣に阻まれるも、福大も大体大の攻撃をはね返す拮抗状態。しかし前半22分に「一瞬の隙を突かれてしまった」(梅田)。大体大MF堀内颯人(4年=奈良育英高)の左足シュートがゴールに突き刺さり、失点を許してしまう。

 追いかける展開に乾監督は交代策で打開を図る。「交代で入ったメンバーが応えてくれて、後半は見応えのあるサッカーができた」(乾監督)。しかし結果は0-1で敗戦。昨季と同じく、福大は準々決勝で敗退となった。

 乾監督は肩を落としながら「後半の戦い方はよくぞ盛り返したなって思います」と選手たちを労う。目標のベスト4は再び叶わず。しかし、「地方の大学にとって、8強というのはある程度手の届く範囲内なんです。でも4強っていうのは特別な何かを出さないと入っていけない場所。敗れはしましたけど十分戦える範囲にはきていると思うので、もうこれは自分たち自身が力をつけていくしかない」と大きな壁を前に、心は折れていない。

 そんな指揮官の背中に選手たちもついていく。GK真木晃平(2年=大分U-18)は「4年生に申し訳ない。一年間ゴールを守って最後がこんな形になってしまった」と上級生への思いを語り、「今大会でベスト8の基準がわかった。来年は絶対にベスト4以上に行く」と静かに闘志を燃やす。昨季の準々決勝敗退の場にもいた梅田は「2季連続で味わうことになったこの悔しさは人並み以上。次のシーズンを通して持ち続けることができれば、絶対に日本一になれると思う。持ち続けなければいけない」と鋭い眼光で来季を見据えている。

(取材・文 石川祐介)
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