beacon

U-16代表同僚FW西川潤との対戦叶わず…東福岡MF荒木遼太郎「桐光とやってみたかった」

このエントリーをはてなブックマークに追加

東福岡高(福岡)MF荒木遼太郎(2年)

[12.31 選手権1回戦 浦和南高0-4東福岡高 NACK]

 ピッチ全体の状況を常に把握しているようだった。東福岡高(福岡)MF荒木遼太郎(2年)は抜群の精度を誇るロングパスを左右に蹴り分け、攻撃にリズムをもたらし続けた。

 ボールの受け方が秀逸だった。味方からパスを呼び込む際に自身の周囲の状況を確認。ワンタッチで最適な場所にボールを置いて相手を手玉に取ると、前を向いては「練習の時からワイドに広がることはチームとして決まっているので、頭の中にイメージしてボールをサイドに散らせた」とピンポイントパスをタッチライン際を駆け上がる味方へと届けた。

 さばくだけではない。チャンスと見るや一気に前線まで駆け上がる。後半7分には「(篠田)憲政くんにボールが入ったときにCBが釣られて、自分行ったら行けるなと思った」と中央に空いたスペースを見逃さずに飛び出すと、MF篠田憲政(3年)からパスを呼び込んで最後はGKとの1対1を制してチーム4点目を記録した。

「攻撃の部分はしっかりサイドに展開できたので良かった。でも守備の部分ではセカンドボールだったりを、あまり拾うことができなかったので、そこは次の試合に向けたの課題」

 9月から10月にかけてマレーシアで行われたAFC U-16選手権ではU-16日本代表の一員として、来年ペルーで行われるU-17W杯出場権獲得に貢献。貴重な経験を積み、「予選(AFC U-16選手権)では森山(佳郎)監督から守備のことを指摘され、マレーシアでの1か月で改善できて帰国してからも守備の部分を意識している」と自らの成長へとつなげている。そして、同大会でともにU-16代表に名を連ねていた桐光学園高FW西川潤(2年)と選手権で対戦することを待ちわびていた。

「今年の選手権では絶対に負けたくない。潤へのライバル心が一番あるので、準決勝で当たれたら絶対に勝ちたい」

 しかし、今大会での対戦は叶わないものに。東福岡は浦和南に4-0の快勝を収めたが、同時刻キックオフの試合で西川擁する桐光学園は大津に0-5の完敗を喫して大会から姿を消すことになった。試合後にその情報を聞いたという荒木は「ビックリしたけど、大津も春に対戦したときに強かったので、どっちが勝ってもおかしくないと思っていた」と答えつつも、「西川との対戦を楽しみにしていたし、桐光とやってみたかったという気持ちはあった」と少しだけ寂し気な表情を浮かべた。

 しかし、荒木自身、そして東福岡の歩みは続く。「サイドに散らしてリズムを生み、時には飛び込んでゴールを決めるようなプレーを見せていきたい」と2回戦以降も“自分らしい”プレーでチームに勝利をもたらしていく。

(取材・文 折戸岳彦)

●【特設】高校選手権2018

TOP