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アーセナルにこだます“不協和音”…敏腕スカウトが上層部と軋轢で退団か

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 アーセナルに“不協和音”が生じている。英『BBC』が報じた。

 3季ぶりのチャンピオンズリーグ出場権獲得を目指し、今季から新体制を迎えているアーセナル。22年間クラブを引きたアーセン・ベンゲル前監督が去り、さらに11月にはイバン・ガジディス前CEOも退団。ウナイ・エメリ新監督を迎え、クラブのフットボール部門のリーダーには、バルセロナが黄金時代を築いた際のフットボールディレクターであるラウール・サンジェイ氏が就任した。

 ここまでプレミアリーグ22試合を終えて5位につけるアーセナルだが、メスト・エジルの起用法やアーロン・ラムジーのフリー退団が迫るなど、ネガティブな話題が続いている。

 しかし、それはピッチ内だけにはとどまらないようだ。イギリスで最も信頼のおけるジャーナリストである『BBC』のデイビッド・オーンスタイン氏によると、クラブのスカウト部門のトップを務めるスベン・ミスリンタート氏が、クラブを離れる可能性があるという。

 元ドルトムントのスカウトで、香川真司らの獲得に大きく関わっていたミスリンタート氏は、2017年12月にアーセナルに入団。ガジディス前CEO体制では選手獲得の重要な部分を担い、FWピエール・エメリク・オーバメヤンら8人の契約すべてに関わってきた。また、エメリ監督の招へいでも大きな役割を担っている。

 だが、ガジディス前CEOの退任に伴い状況が一変。サンジェイ氏が新たにフットボール部門のトップに就任したことにより、クラブ内での影響力が減少しているという。それゆえ、ミスリンタート氏は退団を考慮しているようだ。テクニカルディレクターを置くこと考えているサンジェイ氏だが、エメリ監督やアーセナルと関係が深い人物の登用をねらっており、OBでもあるエドゥ氏の起用に動いているという。

 オーンスタイン氏は、ミスリンタート氏とクラブの関係は破綻しているわけではないが、1月の補強予算がないことなどから、クラブ上層部の連携が取れていないと指摘。また、あらゆる分析を用いたアプローチを志向するミスリンタート氏に対し、サンジェイ氏は自身のネットワークを活かしたい考えのようだ。1月の加入が噂されるバルセロナMFデニス・スアレスは典型的な例とし、ミスリンタート氏は他のターゲットを持っているものの、上層部によって制限がかけられているという。

 ミスリンタート氏は長期計画を持って獲得候補を選定し、過去にはそのアプローチが大きな成果を挙げている。しかし、昨年にクラブに対し将来についての保証を求めたが、クラブはそれを与えず。同氏のアプローチは不可能となり、尊敬は集めているものの、ますます孤立していったという。

 ドイツなどの報道では、アーセナルで孤立するミスリンタート氏に対し、バイエルンが招へいを画策しているようだ。クラブは、引き入れに自信を持っているとも伝えられている。

 長期政権が終了し、新たなスタートを切った新生アーセナル。しかし、ピッチ内外で“不協和音”が生じている。

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