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アーセナルとチェルシー、就任1年目の両指揮官の評価は?ダービー前に番記者に聞いてみた

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今節最大のビッグカードとなるアーセナル対チェルシー

 プレミアリーグ第23節が19日に行われる。今節最大のビッグカードはアーセナルチェルシーによるダービーマッチだ。

 両チームともに序盤は順調に勝利を重ねてきたものの、ここに来てやや失速気味。そんなライバル同士の勝ち点は6差で、4位と5位の直接対決にもなる。ウナイ・エメリマウリツィオ・サッリは就任1年目にしてまずまずの成果を収めているように見えるが、現地で毎試合スタジアムに足を運び、日々取材を続ける番記者はどのような評価を下しているのだろうか。

■アーセナルの問題点は…

『Goal』では、両チームの番記者にそれぞれの指揮官の評価を聞いた。アーセナルを追うクリス・ウィートリー氏の評価はやや複雑なものだ。

「エメリはマンチェスター・シティ、チェルシーに敗れ、難しいスタートを切ったが、それから22試合負けなしを続けた。ただ、最近の試合では昨季からの守備の問題が露呈している。多くのファンは無敗記録がそのアーセナルの根本の問題を隠していたと気づき始めているだろうね」

 また、ここまでのエメリ政権でのハイライトは、昨年12月にリーグ戦で宿敵トッテナムから奪った勝ち点3を挙げる。同時に10月のレスター・シティ戦(3-1)が、フットボール的には最も機能した試合と語っている。

 一方で、10番のメスト・エジルがエメリ監督の間に問題を抱えていると報じられるなどピッチ外も騒がしくなり始めている。ウィートリー氏もエメリ監督のマネージメントには少々疑問を抱いているようだ。

「ウエスト・ハムに敗れたこともあってメンバー選考は少し問題になる可能性がある。エメリは何試合かでエジルを外しているが、疑問もある。彼はパリSGでもネイマールをコントロールできなかった。ここでも同じ状況を引き起こしているような気がするね」

■一定の評価のサッリ・チェルシー

 他方、チェルシーはどうだろうか。一時は首位を走り、その魅力的なスタイルには賛辞も集まった。しかし、番記者のニザール・キンセラ氏は現実的だ。

「サッリは期待に応えようとしているが、最初の数か月は期待を大きく超えたとは言えないね。リーグ戦12試合無敗で、新監督としては記録も樹立した。しかし、昨年11月にウェンブリーでトッテナムに敗れてからは(1-3)、苦労している」

 さらに、サッリ就任によってスタイルの確立を評価しつつも、選手たちの才能がここまでの戦いを手助けしていると話す。

「不完全なパフォーマンスにもかかわらず、下と6ポイント差をつけてトップ4に入っている。選手たちの才能がこのスタイルの移り変わりを助けている。エデン・アザールの10ゴール10アシストというのは、改めて彼がスター選手であるということを証明しているが、サッリのベストが見られるのは来季以降だろう。昨季は5位だったわけだし、今季はトップ4に入れば、ポジティブに捉えることができる」

 続けて、サッリのタイトル経験のなさを指摘し、プレミアリーグを逆転で制す可能性は限りなく低いとした。

「サッリは監督としてメジャータイトルを手にしたことがない。ただ、カップ戦ではよくやっているし、カラバオカップFAカップやヨーロッパリーグを制する可能性はあるだろう。ただ、プレミアリーグを優勝することはまずないだろう。マンチェスター・ユナイテッド、アーセナルより上で終えられれば良い。これはサッリ自身も認めていることだ」

■移籍市場は難しい?

 また、興味深いことに、移籍市場は両チームにとって簡単なものにはならないと、両番記者は予想。ウィートリー氏は「エメリ監督も認めている通り、アーセナルは冬にレンタルでしか獲得できない。チームは高年俸の選手を多く抱えているからね」と、スター選手のシーズン途中での加入には否定的だ。

 チェルシーに関しても「アザールが出ていくことになれば、サッリの挑戦は難しいときを迎えるだろう。加えて(18歳未満の選手獲得で規則違反の可能性があるとして)補強禁止処分の可能性もある」と、ニザール氏は話す。

 両監督にとってライバルより上でシーズンを終えることが一つの評価につながることは間違いない。それだけに、この一戦はただのダービーマッチ以上の意味合いを持つこととなりそうだ。

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