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覚悟決めたFWの迫力増す。甲府FW宮崎純真は高校選抜を勝たせる存在に

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2本目25分、日本高校選抜はFW宮崎純真(山梨学院高)が抜け出しから右足シュート

[2.15 練習試合 日本高校選抜 0-3 流通経済大]

 日本高校選抜で戦う覚悟を固めたストライカーはピッチ上で怖い存在になってきている。FW宮崎純真(山梨学院高3年)はインターハイ準々決勝で2ゴールを決め、決勝でも劇的な同点弾を奪うなど山梨学院高を日本一に導いた点取り屋だ。すでに甲府でプロ生活をスタートしているFWは、今回の日本高校選抜埼玉合宿にJリーガーとして唯一参加している。

 インターハイで彼の凄みあるプレーを見ているチームスタッフたちにとって、選考合宿や今回の合宿序盤の彼のプレーには物足りなさを感じていたようだ。ルーキーのJリーガーにとっては、クラブから離れていることへの不安が少なからずプレーに影響していた模様。ただし、高校選抜のスタッフと話し合い、彼は「こっちで得られるものを得てしっかり成長の場にしよう」と高校選抜の活動に集中し、必ず自分にとってのプラスにすることを決めた。まだ結果には繋がっていないものの、前日、この日と宮崎はエースストライカーとしての責任感を感じさせるような、迫力のあるプレーを増やしている。

 CFとして先発した宮崎はゴールを意識した動き。今回の合宿で指摘されてきたスペースへのランニングでボールを引き出し、球際では体を強くぶつけてマイボールにしようとするなどボールへの執着心もあった。PAへ切れ込んでシュートを放ったほか、2本目終了間際にはスペースへの飛び出しから迷わず右足シュート。GKのファインセーブによって得点することはできなかったが、結果への強いこだわりを感じさせた。

 日本高校選抜の朝岡隆蔵監督(市立船橋高)が、トレーニングから宮崎に求めているボールを引き出す部分やポジショニングは甲府でも課題となっている部分。本人はそれ少しずつ改善、成長できているという実感があるという。

 埼玉スタジアム2002でU-18Jリーグ選抜と対戦するNEXT GENERATION MATCHやその後の欧州遠征では、チームから期待される違いを示す部分、チームを勝たせる部分を表現すること。「埼スタ、初めてなので楽しみです」と微笑むFWは、「FWなんで点を獲るというところでチームを引っ張っていきたいんですけれども、まだ全然獲れていないので、明日は結果という形で証明したい」と宣言した。
 
 昨年はCB生駒仁やFW佐藤颯汰、FW町野修斗、一昨年はGK廣末陸、GK山ノ井拓己、MF松本泰志というJリーガーが高校選抜を牽引。その活動を成長の場とし、その後、年代別日本代表チームに駆け上がった選手もいる。もちろん、今後、チーム事情等で参加できなくなる可能性があることも確か。だが、選出されれば宮崎も高校選抜の力を向上させる存在となり、この経験を将来に繋げる。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校選手権2018
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